経営 X 人事

「承認」とは部下を褒めることではない~ヤフーの人材育成「1on1」の舞台裏

 承認を表現した結果として褒めることにつながることはあります。しかし、褒めないと承認したことにならないというものではありません。褒めるに値しないと思っているのに褒めてしまったら、それはウソをついたことになってしまうので、むしろ関係性を損なうリスクすらあります。

承認とは「観察して得られた事実を
言葉にして伝えること」

 では、ここであらためて承認とは何かということについて、1on1の場面に照らして解説を試みようと思います。さきほど登場したAさんが、部下を承認するとしたらどんなやり取りになるか、以下、対話例で表現してみたいと思います。

Aさん(以降「A」):「今日の1on1では、何について話しますか?」

部下B(以降「B」):「S社への提案書についてなんですが、フィードバックをもらえますか」

A:「あ、さっきメールで送ってもらったドラフトについてですね」

B:「はい、不十分なところをご指摘いただきたいのです」

A:「わかりました。ざっと目は通しましたが、がんばりましたね。努力の跡が見られます」(※1)

B:「ありがとうございます」

A:「一定の水準には達していると思いますが、Bさんとして、特に不安を感じているのはどこですか?」

B:「提案根拠を説明するのに材料を詰め込み過ぎてるんじゃないかと」

A:「なるほど。私も少し感じました。どうして絞らなかったんですか」

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ヤフーの人材育成「1on1」の舞台裏

人事の領域で職場内コミュニケーションの手法として関心を集めつつあるヤフーの1on1ミーティング。3月に仕掛け人である同社上級執行役員・本間浩輔氏による『ヤフーの1on1』(ダイヤモンド社)が刊行され、そのノウハウが明らかにされた。本連載は、本に書き切れなかった1on1のあれこれを、本間氏とともに社内での普及を進めたスタッフである吉澤幸太氏に語ってもらう。

「ヤフーの人材育成「1on1」の舞台裏」

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