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考える力の育て方
【第6回】 2017年8月1日
著者・コラム紹介バックナンバー
飛田 基

「バカ脱出」をやりとげた中学生の目標達成法とは?

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子どもの考える力は大切、でもどうすれば考える力が伸びるのかわからない――。そんな悩みを抱える親御さんにお勧めしたい方法があります。それは、ビジネス書の世界的ベストセラー『ザ・ゴール』の著者、エリヤフ・ゴールドラット博士が開発した「3つの思考ツール」を使うこと。このツールは「5歳児にもわかりやすく、経営者が使えるほどに奥が深い」と高く評価されており、世界で800万人が活用するまでになっています。飛田基氏の新刊『考える力の育て方』の中から、今回は「アンビシャス・ターゲット・ツリー」と呼ばれる思考ツールを使い、「バカ脱出」という目標を見事に達成した中学生の実例をご紹介します。

「バカ脱出したい」
ユウキの変貌

 前回ご紹介した「アンビシャス・ターゲット・ツリー」のステップを、成績不振の中学生ユウキのストーリーとともにおさらいしてみましょう。

 ユウキと私が出会ってから半年ほどたった頃のことです。生活態度が急激に変わり始め、学業面での向上を目指す意識が高まり始めていました。

 ユウキが、こう言いだしたのです。

 「こんなのは本当の自分じゃない。私、バカ脱出したい」

 勉強ができなくても、自分が今ここに生きていることを何とかアピールしたい。そうした動機で、ユウキはさまざまな問題を起こしてきました。それが格好いいことだとも思っていたのです。しかし、あるとき気づきました。

 「勉強もできないし、私生活も問題起こしてばかり。これって、ただのバカじゃん」

 バカを演じていたのはユウキ本人です。私生活の問題が減ってきて、勉強にも光が見え始めてきたとき、本当になりたい自分が見えてきました。

 そんなわけで、ユウキと一緒に「バカ脱出」という目標(ステップ1)に取り組むことになりました。

 この目標は、ユウキにとって簡単に達成できるものではありません。目の前には多くの障害がありました(ステップ2)。

・やる気にならない
・いつも一緒に叱られる5人組と別れられない
・朝起きられない
・宿題が終わらない
・追試になる
・有益な補習が受けられない

 話を聞いている限りは、とても「バカ脱出」を達成できそうにありません。人は「高い目標」を掲げると、このように「できない理由」ばかりが出てきて、結局はあきらめてしまいがちです。

 しかし、じつは、この「できない理由」をどんどん出すことが目標達成の近道なのです。

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    飛田 基

    ライフコーチ/ゴールドラットコンサルティング・プリンシパル/NPO法人 教育のためのTOC 日本支部理事。 1974年生まれ。早稲田大学理工学部卒業後、米国フロリダ大学にて化学物理の博士号を取得。日立製作所基礎研究所に勤めたのち、エリヤフ・ゴールドラット博士のTOC(制約理論)に感銘を受け、TOCを適用する経営コンサルタントおよびライフコーチに転身。現在、ゴールドラットコンサルティング・プリンシパルとして産業界の既成概念を打ち破り、未解決問題へのブレークスルー実現に取り組む。また、ゴールドラット博士が設立したNPO法人「教育のためのTOC」の世界最高位資格であるマスターリード・ファシリテータとして活躍中。

     


    考える力の育て方

    子どもが将来社会で活躍するためには「考える力」をつけることが大切です。この連載では、クラウド、ブランチ、アンビシャス・ターゲット・ツリーという3つの思考ツールを使って、対立解消力や論理力、目標達成力を伸ばす秘訣をご紹介します。ツールを開発したのは、世界的ベストセラー『ザ・ゴール』の著者でイスラエルの物理学者、エリヤフ・ゴールドラット博士。今では世界25ヵ国、800万人以上がこの方法を活用しており、「5歳児にもわかりやすく、経営者が使えるほどに奥が深い」と高く評価されています。

    「考える力の育て方」

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