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「引きこもり」するオトナたち

「自分もいつ、引きこもるか分からない――」
就職氷河期世代を襲う“自己否定感”の正体

池上正樹 [ジャーナリスト]
【第78回】

 前回、1994年卒業以降の就職氷河期世代が、引きこもり層の中核になっているという話を紹介した。

 社会には出ていても、自分もいつ、自信を失って、引きこもるかわからない。そんな不安定な気持ちは、この世代の多くの人たちの間に共有されているように思える。

 30歳代の知人の女性が、こんな話をしてくれた。

氷河期世代に自己否定感を蘇らせる“就職難”の呪縛

 ある朝、目が覚めたら、頭の中が自己否定感でいっぱいだった。何もする気になれず、自分はこのまま引きこもるかもしれないと思ったという。

 きっかけは、仕事相手の男性とのやりとり。ビジネス面で見れば、決してその彼が悪いわけではない。

 「ただ、私のイヤだと思っていることを、(彼は私に対して)言ったり、やったりしたんです」

 当初、直接やりとりをしていたときは、とくにイヤだと感じたわけではなかった。しかし、仕事相手はその後、彼女の上司に、「(彼女は仕事に)慣れていないんじゃないか」みたいなことを愚痴でこぼしたらしい。

 「私の基準でいうと、それは私にとって『イヤだ』と思うことだったんです」

 おまえなんか、仕事相手として認めていない。後で、おまえではなくて、上司に聞くからいい。そんなメッセージだったような気がして、悔しかった。失礼だと思った。

 彼女はキャリアを途中で変え、30代になってから、いまの業界に入ってきた。しかし、そのやりとりで悔しいと感じたのをきっかけに、過去の悔しかった記憶が惹起したのだ。

 自己肯定感は、ひょんなことで、ひっくり返る。

 夜、夢の中でも、自己を否定しようとする自分のトラウマが出てきて、自分自身と闘っていた。

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池上正樹 [ジャーナリスト]

通信社などの勤務を経て、フリーのジャーナリストに。主に「心」や「街」を追いかける。1997年から日本の「ひきこもり」界隈を取材。東日本大震災直後、被災地に入り、ひきこもる人たちがどう行動したのかを調査。著書は『ひきこもる女性たち』(ベスト新書)、『大人のひきこもり』(講談社現代新書)、『下流中年』(SB新書/共著)、『ダメダメな人生を変えたいM君と生活保護』(ポプラ新書)、『あのとき、大川小学校で何が起きたのか』(青志社)など多数。TVやラジオにも多数出演。厚労省の全国KHJ家族会事業委員、東京都町田市「ひきこもり」ネットワーク専門部会委員なども務める。YAHOO!ニュース個人オーサー『僕の細道』

 


「引きこもり」するオトナたち

「会社に行けない」「働けない」――家に引きこもる大人たちが増加し続けている。彼らはなぜ「引きこもり」するようになってしまったのか。理由とそうさせた社会的背景、そして苦悩を追う。

「「引きこもり」するオトナたち」

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