旬を楽しみ、身体が喜ぶ 江戸料理
【第3回】 2011年8月26日 車 浮代

江戸っ子に愛された浅蜊≪あさり≫料理
旨みたっぷり、血管を強くする働きも

 日本の歴史上、浅蜊ほどたくさん食されてきた貝類はないのではないでしょうか。

 浅蜊が先史時代より食用とされていたのは、各地に残る貝塚が示す通りです。

 最近の研究では、貝塚の貝殻の量が、暮らしていた人々が食べるにしては多すぎることから、海のない内陸地域への土産、あるいは物々交換品として、塩と一緒に運ばれていたのではないかと言われています。

 濃度を高めた海水で貝を煮つめ、保存性を高めた、いわば佃煮の塩バージョン、といったところでしょうか。

 コハク酸とタウリンの旨味で、出汁いらずの浅蜊なら、お湯で戻すと潮汁のようになるのかも知れません(笑)。

浅蜊酒蒸し
【材料】殻付き浅蜊…600g/酒…大さじ2/醤油…少々
【作り方】①浅蜊を平らな容器に入れて、重ならないように並べる。②海水と同じ3%の塩水を、をひたひたになるまで注ぐ。③2の上に新聞紙等をかぶせて中を暗くし、涼しい場所に3~4時間置いて砂抜きをする。④水道水を流しながら、浅蜊の殻同士をよくこすり合わせて洗う。⑤鍋に4と酒を入れ、強火で加熱する。⑥浅蜊の口が開いたら弱火にして、仕上げに醤油を加えてなじませる。
※お好みで葱や三つ葉を乗せる

 浅蜊の語源は、「漁る」から来ているという説が有力です。

 一昔前は、日本各地でザクザクと獲れていた浅蜊ですが、残念ながら、日本での捕獲量は激減する一方です。

 蛤ほど極端ではないにせよ、現状では、2/3を輸入に頼っています。

 浅蜊に多く含まれているタウリンは、血液中の余分なコレステロールを排出してくれる働きがあり、動脈硬化など、血管系の病気の予防に効果的と言われています。

 さらに鉄分も多いため、威勢のいい血液を作ってくれるように思います。

 血液は、全ての病の源です。

 国産の浅蜊を増やし、もっともっと、浅蜊を食べる習慣をつけたいものです。

 おいしい浅蜊を見分けるには、大ぶりで口が固く閉じられていて、模様がはっきりと鮮明なものを選ぶと良いでしょう。

 水槽で売られているものなら、水を勢いよく吹いているものが新鮮です。

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旬を楽しみ、身体が喜ぶ 江戸料理

栄養価の高い旬の食材を、あまり手を加えずにいただく――。これが江戸料理の醍醐味であり、健康長寿につながる正しい食のあり方だと思います。このコラムでは、江戸料理と健康をテーマに、食材ごとの情報とレシピをご紹介していきます。

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