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マイホームはこうして選びなさい
【第1回】 2011年8月30日
著者・コラム紹介バックナンバー
長嶋 修 [株式会社さくら事務所 代表取締役社長]

「いまのうちに借金して不動産を買え!」
で泣く人、笑う人

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これから書きつづる10回の連載で、あなたが「マイホームを買うか、買わないか?」「買うとしたら、どこで、どんな物件を、どのように選ぶのか?」を意思決定するための材料を提供したい。
これまで住宅の世界で常識とされてきたもののうち、おおよそ半分くらいは普遍的な常識として残るが、残りの半分は「過去の常識」として打ち捨てられる。変わって「新常識」が台頭し、それがスタンダードになる。

 それではまずはトピック的な話題から。「インフレ」について一緒に考えてみよう。

インフレで不動産は本当に上がるのか?

 「インフレに備えるため、いまのうちに借金して不動産を買え!」

 そう唱える経済評論家もいる。

 ユーロもドルも大きく刷り散らかされ、ペーパーマネーの信任が揺らいでいる。スイスフランや円は相対的な安定感を理由に買われ上昇しているが、我が国の財政も危機が叫ばれている最中にある。実物である金や銀などの資産価格は上昇し、資源やエネルギー、食料価格も上昇が見込まれるなかで、やはり実物資産である不動産を買っておけというものだ。

 確かに、我が国が激しいインフレに見舞われた場合には、数千万円の借金はその価値が目減りすることになるだろう。むろんこのときには、大幅な金利上昇が見込まれるから、固定金利で住宅ローンを借りておくことが前提だ。

 しかし資産価格はどうか。すでに我が国は800万戸近い住宅が余剰しているし、今後は人口減少と少子化・高齢化が加速。新築持ち家偏重の住宅政策も実質的にはまだ続いており、空き家がさらに増加するのは確実だ。どの不動産も価値を上昇させるということは到底考えられない。

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長嶋 修 [株式会社さくら事務所 代表取締役社長]

1999年に業界初の個人向け不動産コンサルティング会社である株式会社さくら事務所を設立。以降、様々な活動を通して"第三者性を堅持した個人向け不動産コンサルタント"第一人者としての地位を築いた、不動産の達人。
国土交通省・経済産業省などの委員も歴任し、2008年4月、ホームインスペクション(住宅診断)の普及・公認資格制度をめざし、NPO法人日本ホームインスペクターズ協会を設立、初代理事長に就任。
複数の法人を経営する他、TV等メディア出演、不動産・経済セミナー講師、出版・執筆活動等、幅広く活躍中。『不動産のプロから見た日本経済の活路~「ポスト成長経済社会」を豊かに生きる方法』(PHP)他、著書多数。


マイホームはこうして選びなさい

これまで私たちのマイホーム選びは基本的に、交通や生活の「利便性」や地価といった、「価格」との兼ね合いを中心にしてきました。希望の立地条件を前提に、便利でかつ割安な物件を探すのが「賢いマイホーム選び」だと考えられてきたのです。
しかし、今回の東日本大震災では、大津波をはじめ地盤の液状化や斜面地でのがけ崩れで多くの住宅が被害を受け、土地の安全性がクローズアップされました。また、建物に被害はなくても上下水道など周辺のライフラインがダメージを受け、生活に深刻な影響が及ぶことも多くの人が認識しました。
これからのマイホーム選びでは、建物の耐震性が従来以上に重視されるとともに、土地の安全性やライフラインの災害対応力など従来あまり意識されてこなかったポイントも問われることになるはずです。
マイホームをめぐる状況が大きく変わろうとしているとき、最低限知っておきたい基本情報とマイホーム選びのヒントを提供するため、さくら事務所の総力をあげて書籍『マイホームはこうして選びなさい』を企画しました。今回の連載では、「マイホーム選び」を考える新しい道しるべとして、10回にわたりそのポイントをお伝えしていきたいと思います。

「マイホームはこうして選びなさい」

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