今、永田町にどんな風が吹いているか、と問われれば、「それは政界再編風である」と答えたい。
なぜならば、最近起こっていること、すなわち、東京都議選での自民、民進両既成政党の惨敗、「都民ファースト」という新党の爆発的躍進、その後の自公政権の追い込まれ改造人事、民進党のさらなるバラバラ感…といった一連の現象を見ると、何やら二十数年前の細川護熙氏の日本新党誕生以降の政界再編劇とダブって見えるからだ。
これから起こるのは、戦後三度目の大きな政界再編劇であるかもしれない。今回の改造劇でもその胎動の一端が見えた。
安保環境の激変
戦後3度目の政界再編風
戦後史を振り返ると、安全保障環境の大きな変わり目には、必ずと言っていいほど政治勢力の再編が起きた。
それは過去二回あった。
戦後、米ソ冷戦体制ができあがると、国内政治勢力は保守合同、左右社会党統一による「自社55年体制」という形でそれに応えた。共産主義に抗し、自由主義経済体制の下で高成長を実現したのは、自民党一党支配と社会党の万年野党体制による政局の安定が奏功した。安保政策は日米安保体制におんぶに抱っこ、自衛隊は専守防衛、海外派遣の「は」の字もなかった時代である。