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あなたの会社は大丈夫? 「タダ乗り社員」を生む職場

一歩間違えれば部下のやる気を奪う「タダ乗り上司」
仕事を“任せる”ことと“投げる”ことの決定的な違い

河合太介 [(株)道(タオ)代表取締役社長],渡部 幹 [モナッシュ大学マレーシア校 スクールオブビジネス ニューロビジネス分野 准教授]
【第36回】 2011年8月31日
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上司の「信頼の差」は紙一重!
「任せ上手」と「投げるだけ」は違う

 「良いリーダーシップ」を考える研修の中で、参加者に「自分がやってもらって嬉しかったリーダーシップ」のエピソードを思い出してもらうことがある。そのとき、必ず出てくるエピソードで、しかも数が多いものがある。

 それが、「任せる」というリーダーシップである。

 人は任されたとき、嬉しく感じる。そこには、上司から信頼されたという喜び、上司から期待されたという喜び、あるいはドキドキハラハラしながらも最後は成長を実感できた喜びが、記憶に強く残っているのであろう。

 一方、「自分がされて嫌だったリーダーの行動」についてエピソードを挙げてもらうと、「仕事を投げられたとき」という意見が多く出てくる。

 ポジティブ・リーダーシップの横綱が「任せる」なら、ネガティブ・リーダーシップの横綱は、「仕事を投げられる」ことと言える。しかし、この2つ、実は紙一重の違いしかない行動なのである。

 ネガティブ・リーダーだって「お前に仕事投げるからな」とは言わない。その際は必ず「これ、お前に任せたから、やっておいてな」などと、「任せる」という表現をするはずだ。

 そう、どちらも上司からすると「任せる」という行為なのである。しかし、片方は部下の高いモチベーションにつながり、片方はやる気を喪失させ、上司への信頼を損なわせる。

 「投げる」ほうの上司については、その行動がその人の中で一般化すると、周囲はフリーライダーと認識するようになる。人に仕事を投げて、ふっておいて、楽をする。そして、うまくいって成果が出たら、自分の手柄にする。

 いわば、尊敬される上司とは真逆の上司像となる。「こんな上司の下では働きたくない」「やってられない」と言われる上司となる。

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河合太介 [(株)道(タオ)代表取締役社長]

ワトソンワイアットを経て、「人と組織のマネジメント研究所」(株)道(タオ)を設立。ベストセラーとなった『ニワトリを殺すな』をはじめ、『デビルパワー エンジェルパワー』『育ちのヒント』(共に幻冬舎)など著書多数。慶応丸の内シティーキャンパス客員ファカルティー。

渡部 幹(わたべ・もとき)
[モナッシュ大学マレーシア校 スクールオブビジネス ニューロビジネス分野 准教授]

UCLA社会学研究科Ph.Dコース修了。北海道大学助手、京都大学助教、早稲田大学准教授を経て、現職。実験ゲームや進化シミュレーションを用いて制度・文化の生成と変容を社会心理学・大脳生理学分野の視点から研究しており、それらの研究を活かして企業組織にも様々な問題提起を行なう。現在はニューロビジネスという大脳生理学と経営学の融合プロジェクトのディレクターを務めている。代表的な著書に『不機嫌な職場 なぜ社員同士で協力できないのか』(共著、講談社刊)。その他『ソフトローの基礎理論』(有斐閣刊)、『入門・政経経済学方法論』、『フリーライダー あなたの隣のただのり社員』 (共著、講談社)など多数。


あなたの会社は大丈夫? 「タダ乗り社員」を生む職場

いつになったら報われるのか――。熾烈な競争に晒されたビジネスマンは疲れ切っている。そんな彼らに強い負の感情を抱かせるのが、職場で増殖中の「タダ乗り社員」(フリーライダー)だ。タダ乗り社員が増える背景には、企業の制度やカルチャーが変化し、組織に矛盾が生じている側面もある。放っておいてはいけない。ベストセラー『不機嫌な職場』の著者陣が、タダ乗り社員の実態と彼らへの対処法を徹底解説する。

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