メンバーのために話を聴く意識を持とう 

 結束力を高めるためには、本来、職場で当たり前にできなければならないことを、しっかりと本気で取り組むことです。挨拶や声かけももちろんそうです。また、リーダーはメンバーからの報告、提案、質問、メールなどにすばやく反応してあげることも大切です。私はメールに限らず「即レス」を心がけていますが、こうしたコミュニケーションをしっかり実行することが、信頼へとつながるのです。

 職場でよく見られるのは、「できないこと」つまり短所にばかり目を向けてしまい、長所を確認する機会を持たないことです。これも信頼関係にはマイナスとなります。「技術の向上や、競争に勝つには、ダメなところをよくしないと」という打ち手は必要ですが、その前に、お互いに長所をしっかりと把握してみてください。

 チームで必要な信頼関係の基本は「お互いに正面から自由にものが訊けて、言えること」です。それは今後、メンバー間で真剣な会話をしていくための第一歩となります。

 見せかけだけの人のつながり、甘えた関係、いたわりだけの関係では、本気で議論したり、自由に言いたいことを言うと、チームはバラバラになってしまいます。互いの長所を発見し、語り合うことができれば、うまくいかなかったことや間違いについても率直に指摘し合うことができるようになれます。それでいて、軌道修正でき、あとにしこりを残さない信頼関係を育てなくてはなりません。

 信頼関係を育むためには、「メンバーのために話を聴く」という聴き方が大事です。なぜなら、メンバーの特徴や語っているときの表情が記憶に刻み込まれるからです。

 信頼関係を生み出すために、あなたは、メンバーの長所を見つけ、それを言葉にしていく工夫が必要です。その行動を結束力UPにつなげていくためには、見つけたもの、聴いた言葉を「忘れない」ことです。

「自分に、長所なんてあったかな」。そう思う人は少なくないと思います。まして、メンバーの長所です。「長所を知りたい」と意識してフォーカスしていかないと、知ることはできません。

 たとえば、メンバーの笑顔を見たら、その理由を知ることも、メンバーの長所を知ることにつながります。笑顔に出合ったら、すかさずそこに着目してください。そして、笑顔の理由を聴いてみることです。