しまむらがネット通販の展開を検討していることがわかった。一部の報道によると社内に「EC(電子商取引)研究プロジェクト」を立ち上げ、ネット通販に向けた体制整備を開始したようだという。衣料品の買い場はジワリとネットに移行しており、地域に密着した店舗を大事にしてきたしまむらも、ネット化の波には抗えなかったようだ。衣料品販売は急速にネットが伸びており、これまで衣料品の主販路だった百貨店がいよいよ窮地に追い込まれていくのは確かだ。(流通ジャーナリスト 森山真二)

ネット販売を拒み続けてきた
しまむらがなぜ!?

「しまむら」といえば、ご存じの通り、地方のロードサイドに店舗が多く、いつも軽自動車や自転車で気軽に来店できる店という印象が強い。その一方で、ネット通販をやっていないがゆえに、「しまパト(しまむらパトロールの略)」と呼ばれる、根強いしまむらファンを作り出し、そのファンがわざわざネットでしまむら製品を紹介するウェブサイトまであるほどだ。

 なぜ、これまで頑なにネット通販を拒んできたしまむらが一転、ネット通販参入に向けて検討を始めたのだろうか。

 大きな要因としては、国内の衣料品売上高トップのユニクロがネット通販をジワジワと拡大していることや、衣料品販売のサイト「ゾゾタウン」を展開するスタートトゥデイが急速に伸長していることが刺激になっていることは確かだろう。

 しまむらの前社長は「サンダル履きで行ける生活道路にある店」を標ぼうして、安くて入りやすい地域密着の店として商売を続けてきた。

 それだけに、地域の中でも店舗は必要不可欠なものであり、“ネット”という選択肢はこれまで念頭にはあったが、実際は展開には踏み切れなかったと見られている。