翌日、ホテルから現行型の「アクセラ」(2.0リッターガソリン車・マニュアルミッション)を自ら運転し、フランクフルト郊外のオーバーファベルにあるマツダ・モーター・ヨーロッパ(MME)のデザイン・研究開発拠点に到着。筆者は過去、各種メディアの取材でこの場所に何度か足を運んでいる。

 今回は、世界各国のメディアを集めて、マツダの次世代技術説明会が開催された。

 もちろん、その中心にあるのはマツダが世界で初めて量産化を決定した、次世代エンジン「SKYACTIV-X」の世界初試乗である。

 用意されたのは、艶消しブラックカラーの現行「アクセラ」で仮装した4台。筆者は、マニュアルとオートマッチック、2つのトランスミッション搭載車をそれぞれ1時間ずつ、市街地と速度無制限のアウトバーンで走った。

世界は驚くが、生真面目な
マツダにとって“特別なこと”ではない

試乗したのはプロトタイプのため、空調設備などが仮設定。内外装は一応、現行「アクセラ」だが、中身は全くの新設計の別物 Photo by Kenji Momota

 直近でのマツダに関する話題といえば、8月4日に発表したトヨタとの資本提携で、北米市場で共同の生産工場の建設や、EVの共同開発など明らかになり大きな話題となった。

 そこから間髪を入れず、8月8日にはマツダの技術開発長期ビジョン説明会を都内で開催し、その中で多くの自動車産業関係者が「究極の内燃機関」と呼ぶ、予混合圧縮着火(HCCI)を採用した「SKYACTIV-X」の2019年発売決定について言及した。

 HCCIは ホモジェーニアス・チャージド・コンプレッション・イグニッションの略称。簡単に説明すれば、ディーゼルエンジンとガソリンエンジンにおける燃焼理論を融合させたものだ。

 ガソリン燃料を、より多くの空気を加えた極めて薄い状態で高圧で圧縮すると、ディーゼルエンジンのように自然着火する。これにより、極めて低燃費で、さらにNOx(窒素酸化物)など排気ガスに含まれる有害物が極めて少なく、さらに高トルク型の力強い走り味が実現できる夢のエンジンとして、独ダイムラーが2007年にコンセプトモデルを発表するなどしてきたが、未だに世界の誰もが量産化を実現できていない。