一般的に侮蔑や揶揄の意味で使われることが多い「童貞」。しかし、歴史に名を残す偉人でも童貞だった人は数多く存在している。性行為未経験の偉人たちの童貞エピソードを「童貞の世界史」(パブリブ)の著者・松原左京氏に聞いた。

ニュートンは生涯
精を漏らさなかった!?

 万有引力を見い出したことで知られる偉大な科学者、アイザック・ニュートン。彼は興味を惹かれた研究に専念するべく、結婚は犯罪と同様なものと捉えて、避けるべきものと考えていた節があったようだ。

最晩年には「禁欲のおかげで大きな病気に罹った」と述懐したという宮沢賢治。彼が生き様の手本としたアイザック・ニュートンは「結婚は犯罪と同様」という思想の持ち主だったと言われている 写真:読売新聞/アフロ

「それどころかニュートンは無性愛者だったという説もあり、生涯童貞を貫いたのはほぼ間違いないでしょう。また、真偽は不明ですが、生涯一度も精を漏らしたことがないという説もあるほど、性事情に関するエピソードがまったく残っていません」(松原氏)

 ニュートンの生き様を手本としたと言われている詩人・童話作家の宮沢賢治も、生涯独身で女性を遠ざける傾向があり、一生を通じて童貞を貫いたとみなされているという。

「女性を遠ざけた一例として、高瀬露という女性に好意をもたれ言い寄られた際には、顔に灰を塗りたくって会う、居留守を使ってわざと嫌われようとした、という振る舞いに出たようです」

 一部の専門家からは、このような行動をとったのは宗教上の理由とも指摘されているが、根底には性愛と性的肉体への恐怖・嫌悪感があったという説もあると松原氏は語る。

 その一方、和綴じの春本を所持していたことも知られており、性欲を発散させる必要は感じていたようだ。最晩年には、「禁欲のおかげで大きな病気に罹った」といった主旨のことも述べており、童貞を貫いたことが結果的に良かったことなのかどうかは疑問だ。