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出口治明の提言:日本の優先順位
【第22回】 2011年9月27日
著者・コラム紹介バックナンバー
出口治明 [ライフネット生命保険(株)代表取締役会長]

すでに日本の世帯構造は一人暮らしが主流。
公共住宅はすべてコレクティブハウスに

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 今年の6月29日に公表された国勢調査(2010年、抽出速報集計結果)の内容は、衝撃的だった。初めて「単独世帯(一人暮らし)」(31.2%)が全体の3割を超え、「夫婦と子供から成る世帯」(28.7%)を上回ったのである。次が「夫婦のみの世帯」(19.6%)であり、「ひとり親と子供から成る世帯」(8.8%)がこれに続いている。「単独世帯」と「ひとり親世帯」の合計は、実に4割に達しているのだ。

 このような世帯構成の急激な変化は、わが国の住宅政策にも大きな影響を与えずにはすまされないだろう。

戦後の住宅政策、すなわち「持ち家政策」は
高度成長が前提

 わが国の戦後の高度成長は、言い換えれば、産業構造の変化に伴う急激な都市化によってもたらされたものである。その結果生じた、都市における大量の住宅不足は、まず公共住宅の供給によって、次に税制優遇や(旧)住宅金融公庫の低金利融資などを通じた「持ち家政策」の展開によって徐々に解消されていった。

 持ち家政策のモデルは、郊外の庭付き一戸建住宅であり、当時の標準であった「夫婦と子供二人」世帯を強く意識したものであった(1960年の1世帯当たり人員は4.14人)。庭で子供が伸び伸びと遊べるという訳である。

 とりわけ、フラット35という言葉が今でも生きているように、公的な超長期の住宅ローンを梃として頭金がほとんどなくても住宅が取得できるような制度を実現したことは、持ち家政策を存分に促進することになった。

 通常、最長35年の住宅ローンともなれば、支払いを終える頃にはほとんどの人が定年を迎えている。しかもようやく自分の物になった住宅は、(特に木造なら)35年も経てばかなり陳腐化しており、市場価値は恐らくゼロに近いであろう。

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出口治明 [ライフネット生命保険(株)代表取締役会長]

1948年、三重県美杉村生まれ。上野高校、京都大学法学部を卒業。1972年、日本生命保険相互会社入社。企画部や財務企画部にて経営企画を担当。生命保険協会の初代財務企画専門委員会委員長として、金融制度改革・保険業法の改正に従事。ロンドン現地法人社長、国際業務部長などを経て同社を退職。その後、東京大学総長室アドバイザー、早稲田大学大学院講師などを務める。2006年にネットライフ企画株式会社設立、代表取締役就任。2008年に生命保険業免許取得に伴い、ライフネット生命保険株式会社に社名を変更、同社代表取締役社長に就任。2013年6月24日より現職。主な著書に『百年たっても後悔しない仕事のやり方』『生命保険はだれのものか』『直球勝負の会社』(以上、ダイヤモンド社)、『生命保険入門 新版』(岩波書店)、『「思考軸」をつくれ』(英治出版)、『ライフネット生命社長の常識破りの思考法』(日本能率協会マネジメントセンター)がある。

ライフネット生命HP

 


出口治明の提言:日本の優先順位

東日本大地震による被害は未曾有のものであり、日本はいま戦後最大の試練を迎えている。被災した人の生活、原発事故への対応、電力不足への対応……。これら社会全体としてやるべき課題は山積だ。この状況下で、いま何を優先すべきか。ライフネット生命の会長兼CEOであり、卓越した国際的視野と歴史観をもつ出口治明氏が、いま日本が抱える問題の本質とその解決策を語る。

「出口治明の提言:日本の優先順位」

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