東芝の半導体子会社、東芝メモリの売却交渉がようやく決着する。二転三転した交渉は、米ウエスタンデジタル(WD)を中心とした「日米連合」との最終調整に入った。
東芝の最大の関心は、東芝メモリの独立性だ。WDは東芝メモリの経営関与に意欲をにじませたままで、3年後をめどとする東芝メモリの新規上場(IPO)後の株式取得をめぐり、ぎりぎりの攻防が続いている。
日米連合は、WDのほか、産業革新機構、日本政策投資銀行、米投資ファンドのコールバーグ・クラビス・ロバーツ(KKR)が参加する枠組みだ。
実はこの枠組みは、6月21日に、米投資ファンドのベインキャピタル、韓国SKハイニックス、革新機構・政投銀の「日米韓連合」が優先交渉権を獲得する直前まで有力候補だった日米連合が基礎。
当初の日米連合は、WDが東芝メモリ株の過半数取得を要求したことに経済産業省が反発して空中分解した。ここまで交渉が紆余曲折した最大の要因は、WDが東芝メモリの経営にどこまで関与するのかという点にある。その綱引きが今に至っても続いているのだ。