元海将が指摘「北のミサイルは狙った所に飛ばない可能性がある」写真:労働新聞(電子版)より

9月15日午前6時57分ごろ、北朝鮮は弾道ミサイル1発を発射した。ミサイルは、約3700キロメートル飛行して北海道上空を通過、襟裳岬の東約2200キロメートルの北太平洋に落下した。元海将で、潜水艦艦長として防衛の第一線を経験したほか、在米防衛駐在官、情報部長などを歴任、朝鮮半島情勢や安全保障政策を熟知する伊藤俊幸・金沢工業大教授は、ダイヤモンド・オンライン編集部のインタビューに応じ、北朝鮮のミサイル性能を疑問視し、「狙った所に飛ばない可能性もある」と指摘する。(聞き手 ダイヤモンド・オンライン特任編集委員 西井泰之)

本音は発射実験を続けたい北朝鮮
ミサイルの制御技術は未熟

──北朝鮮は9月15日、再び日本上空を通過する弾道ミサイルを発射しました。「核保有国」として認められない限り、北朝鮮は核実験やミサイル発射をこれからも続けるということでしょうか。

 米国も軍事介入を示唆するなど、緊迫した状況が続くことになると思います。その先に軍事衝突というシナリオも考えられますが、それには至らないにしても、北は核・ミサイル開発をやめないでしょう。本音としても、北朝鮮はミサイルなどの改良実験は続けたいわけです。