タクシー業界は厳しい経営状況に加えて、運転手の長時間労働・低賃金・高齢化も大きな課題となっている Photo:123RF

 タクシーに、鉄道の定期券のような、定額で乗り放題になる運賃体系が新たに導入されそうだ。国土交通省と複数のタクシー事業者で、来年度から実証実験をスタートし、再来年度に本格導入する見込みなのだ。

 利用者と時間帯、エリアを限定して乗り放題にし、従来の距離や時間に応じて加算される運賃よりも割安な運賃を設定する。

 タクシー業界の旅客輸送量は過去20年で4割も減るなど、電車やバスと比べて「独り負け」の状況だ。一方で、主に子育て世帯や高齢者からは、子供の学校や塾の送迎、通院や買い物などの生活の足として「もっと手軽に利用できたらいいのに」という声は多い。

 乗り放題にすることで、「タクシーは高い」「幾ら掛かるか分からない」といった利用者の心理的ハードルを下げて、タクシー需要を喚起するのが狙いだ。

 同様に、需要を掘り起こす取り組みとして、今年1月からは東京都内で初乗り運賃が値下げされた。従来は初乗り2キロメートル730円だったのを、初乗り1052メートル410円に、運賃改定されたのだ。

 短距離で気軽に使ってもらう「ちょい乗り」を狙った策だが、その効果は上々で、導入後2カ月間の初乗り利用数は、昨年同時期と比べて36%も増えた。