総選挙の話題ですっかり霞んだ観があるが、安倍首相は有識者を集めて「人生100年時代構想会議」を立ち上げ、9月11日に第一回目の会議を開いた。メンバーの1人で「LIFE SHIFT」(東洋経済新報社)の著者であるリンダ・グラットン氏が用意したプレゼンテーション資料を見ると、2007年に生まれた日本人(現在10歳くらいの子供)の寿命は、107歳になるのではないかという推計が示されていた。
連載の読者は、そこまで長生きしない方が多いのだろうが、「人生は、思っていたよりも長い」という現実に直面する覚悟が必要だ。長寿化自体は結構なことなのだが、健康、人間関係、お金などの面で、対応するためにはそれなりの苦労がある。
これらの問題のうち、今回は、リタイアメント後を意識した「高齢期のお金の扱い方」について書いてみたい。