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米国牛肉の輸入規制緩和で
焼肉業界の経営好転か

週刊ダイヤモンド編集部
2011年10月20日
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 焼肉業界に、干天の慈雨が降りそうだ。

 米国オバマ大統領から野田佳彦首相への強い要望により、米国産牛肉輸入の規制が緩和されそうなのだ。これにより、価格下落と販売量の拡大に結びつく可能性がある。

 焼き肉業界の受難は、2001年にまで遡る。国内でBSE(牛海綿状脳症)が発生したことで、ブームが沈静化。その後、一時、盛り返したものの、2003年、主要な調達先である米国でBSEが発生、輸入が停止し、大手チェーンの廃業や赤字が相次いだ。

 2005年、脊髄などの特定の部分を取り除くという条件で輸入は再開されるものの、日本政府は、生まれてから20ヵ月以内の牛のみに制限。これが絶対量の不足と価格高騰を招き、また、肉の味も変えた。 

 米国から他の諸外国には30ヵ月の牛が輸出されており、日本専用の加工ラインを作ることがコスト高につながっていた。また、そもそも、30ヵ月の牛に比べて、20ヵ月以内の牛の肉付きは少ないし、流通量も3分の1程度と少ない。

 直近の1年程、価格下落傾向にあるが、それでも03年の騒動前の1.5倍程度高い部位もある。

 また、減少した米国産を補うために使われるオーストラリア産は「味が劣ると感じる顧客が多かった」(焼肉チェーン関係者)という。

 それまで「焼肉ブームを支えてきたのは安くておいしい米国産牛だった」(焼肉チェーン関係者)。それが、制限により状況は一変してしまったのだ。

 構造問題を抱えていた焼肉業界をさらなる悲劇が襲った。

 2011年5月には、『焼肉酒家えびす』で牛肉の生食による集団食中毒が発生。さらに、7月には牛肉から暫定規制値を超える放射性セシウムが検出された。

 そして、10月からは、5月の集団食中毒事件を受け、新たな衛生基準が施行された。「ユッケ」「牛刺し」「牛タタキ」などは、表面を加熱処理した場合のみ提供が可能だ。

 表面が加熱されていて中身は生だから、「実際にはレアステーキと変わらない」(大手焼肉チェーン関係者)。これをユッケとして提供されても、客は困惑するだろう。

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