日本人にとって、“温かいものは温かいうちに”、“冷たいものは冷たいうちに”は料理をおいしく食べる基本である。一方、私たちが中国に行ってよく遭遇するのは、冷えていないビール。ぬるい味噌汁に熱々じゃないラーメン。彼らの味覚はどうなっているのだろうか。(ゼロイチ・フード・ラボCEO 藤岡久士)

ビールの適温とは?
日本人が好むのは夏で4~6度

 日本人の、ビールが最も美味しいと思う温度は、外気の温度と関係する。夏場は4~6度。冬場なら6~8度が適温と言われ、それより冷えすぎてもぬるすぎても、「泡立ち」「のどごし」面で美味しさが半減してしまうとされている。

 もっとも、これは日本で一般的に飲まれている「ラガービール」の話で、世界を見渡すと琥珀色の「ペールエール」や、白濁した色合いが特徴で白ビールとも呼ばれている「ヴァイツェン」のように、常温に近い温度で飲んだ方がビール本来の香りや、しっかりした苦味が感じられ美味しいとされているビールも多く存在している。

 とはいえ、日本で最も飲まれているのは「ラガービール」であり、多くの日本人がキンキンに冷えたビールを、「のどごし」で楽しむのが好きなことに、異論を唱える人はいないのではないだろうか。

なぜ中国では
冷たいビールを飲まないのか

 中国で一般的に普及しているビールも日本同様「ラガービール」である。

 では、何故彼らは日本人のように、ビールをキンキンに冷やす習慣がないのか。単なる「習慣の違い」と言ってしまえば、身も蓋もない話になってしまう。