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【特別対談】高橋洋一vs若田部昌澄(後篇)
いま増税路線を採用するのは
嵐が来るのに窓を開け放つようなものだ

2011年10月21日
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高橋・若田部対談の後編。前編ではなぜ済成長が必要なのか、日本の財政状況は、果たしてギリシャと同じように、危機的な状況にあるのかどうかについて検証した。今回はいよいよ名目経済成長率を上げることはできるのか、日銀の金融緩和は果たして十分なのか、そして今どのような経済政策をとるべきかについて語り合う。

改正日銀法施行後
日本銀行の打率は1割6分

若田部 名目成長率が上がれば、多くの課題が解決しやすくなるという言いかたをすると、必ず返ってくる反論が2つあります。一つは名目成長率上昇は望ましくないというもの、もう一つは名目成長率は上げられないというもの。最初のは実質成長率を上げないと成長の意味がないという反論です。名目成長率は、実質成長率とGDPデフレーター(物価上昇率)の和なので、物価が上がるだけではだめで、実質が上がらないといかんのだという「実質成長率信仰」ともいえる。

 もうひとつは、これまでずっと金融緩和を続けて、マネーを「ジャブジャブ」にしたけれども、物価への影響は小さかった、だから、金融政策ではGDPデフレーターを上げる、すなわち物価を上昇させることは難しい、あるいはできないというものですね。名目成長率を上げるというときに、つまづきの石が二つあるという感じです。

高橋 まず、後者の名目成長率を上げることが「できない」という議論をやっているのは、世界中で日本だけです。1998年に現在の改正日銀法が施行されて、いままで約160ヵ月が経つ。日銀がいう物価安定は、消費者物価指数(CPI)の伸び率がゼロから2%と考えられるけれども、CPIがゼロから2%に収まった確率というのが、わずか1割6分。

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