勉強ではなく、「習い事」にこだわるべき理由

そう言うと、「将来の受験のことも考えて勉強だけ一生懸命させればいいのでは?」「習い事など時間のムダでは?」と思われる方もいるでしょう。

しかしこれには理由があって、勉強だけで「根拠のある自信」を得るレベルまでいくのは、かなり厳しいのです。
たとえば、算数が得意な子がいたとします。努力した甲斐あって学年で1番になりました。まわりからは「算数が得意だね!」と言われます。本人も「算数が得意だ!」と自信を持っています。

でも、算数が一番の生徒は隣りの学校にも、その隣りの学校にもいるのです。さらに、他の学年にも算数が得意な生徒はいます。

中学、高校、大学と、競い合う相手が広がるにつれ、常に算数(数学)でトップの成績を収めることは難しくなっていきます。

事実、韓国人のハーバードなどの難関大学の進学率はアジアでトップクラスなのですが、ドロップアウト率は4割を超えています。

海外の難関大学には、世界中の天才が集まってきます。それまで地元では「天才」と言われてきたのに、大学では平均の成績すら取れない! といったこともざらに起きるのです。勉強だけを強みとしてきた多くの韓国人学生は大きな挫折を経験し、そのままドロップアウトしてしまいます。

つまり、勉強は誰もがすることなので才能を伸ばしていきやすいのですが、それだけでは壁にぶつかった時、一気に自信を喪失してしまいます。

そのために、勉強以外のことで「根拠のある自信」をつけていくのがよいのです。

スポーツ、音楽、ダンス、演劇、囲碁、将棋、何でも構いません。子どもが興味を持って取り組めそうな習い事、子どもの特性や強みを活かせる習い事に挑戦させてみてください。

(この原稿は書籍『世界標準の子育て』から一部を抜粋・加筆して掲載しています)