佳食漫遊!ニッポンの郷土料理
【第9回】 2011年10月26日 橋本裕之

もつ鍋、水炊き――福岡が誇る鍋の真髄!
体の隅々まで旨さを感じる絶品スープを堪能

フグ鍋!アラ鍋!
日本屈指の旨い鍋の宝庫・福岡

 福岡は郷土料理の連載にふさわしい、本当にうまい食べ物の宝庫だ。

 筆者も全国いろいろな場所でご当地のうまいものを食べてきたが、やはり、中でも一番楽しみなのが北の台所「札幌」と、ここ「福岡」である。

 言わずと知れた九州最大の都市。古来から大陸との玄関口として栄えてきた。平安時代に平清盛によって、貿易の拠点としての港としてスタートしたのち、戦国時代、江戸時代を経て、城下町、そして町人町として現在の大都市へと発展してきた。

 北に玄界灘、東に周防灘、南西に有明海と3つの海に囲まれ、それぞれ特長のある魚介類が豊富に水揚げされる上に、九州中の食材が集まってくる。料理もおのずと非常にバラエティにあふれる。

 そんな福岡でオススメの食べ物は数多くあるが、特に鍋がうまいと思っている。

 とりわけ、お隣の山口県とともに、国内有数の水揚げ高を誇るフグを使った「フグ鍋」は本当にうまい。その出汁で仕上げた雑炊も最高だ。

 また、同じく冬の味覚として最高にうまいのが「アラ鍋」だ(別の地域ではクエ鍋などとも呼ばれるが、厳密には違う属になる)。これもまた身の旨みがたっぷり、プルプルとしたゼラチン質の部分の食感も抜群にうまい。

 さて、そんな福岡の冬の味覚の代表格ふたつを差し置き、もっと庶民感覚の鍋を今回は取り上げたい。博多っ子たちに一年中愛されている普段の鍋といえば「もつ鍋」と「水炊き」である。

博多っ子たちに愛される庶民の味、「もつ鍋」をいただく。
福岡産の赤鶏に、様々な香味野菜を合わせた「水炊き」のスープは絶品!

 福岡の繁華街といえばやっぱり中洲だ。九州でもっとも栄えている繁華街であり、数多くの名店が軒を連ね、屋台も並ぶ。那珂川を見ながら一杯やるというのがいかにも風流である。

 今回、訪れたのはそんな中洲のど真ん中『福博であい橋』の正面に位置する『博多なべ処 中洲 真屋』である。数多くのプロ野球選手が遠征の際に、駆けつけるという名店だ。

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橋本裕之

飲食店から蔵元訪問など、豊富な食べ飲み歩きの経験から、出版やWEBなどで、食と酒をテーマにした編集やライティングに関わる。過去の執筆に『dancyu』(プレジデント社)、『本格焼酎ぐびなび』(誠Style)など。SSI認定焼酎アドバイザー。ティーコンシェルジュ2級。


佳食漫遊!ニッポンの郷土料理

土地々々の風土に磨かれ、伝え継がれてきた日本の郷土料理を、料理の歴史や地域の慣習などを交えて紹介。その素晴らしさ、味わい深さを再確認していただければ幸いです。

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