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野口悠紀雄 未曾有の大災害 日本はいかに対応すべきか

日本経済の活性化に高生産性サービス業が不可欠

野口悠紀雄 [早稲田大学ファイナンス総合研究所顧問]
【第36回】 2011年10月27日
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 前回、過去10~20年間程度の期間にわたる給与の動向を見た。

 ところで、「給与」としていかなる指標を見るかで、結果はかなり違う。

 前回は、「所定内賃金」を見た。この指標では、産業全体の給与水準は、1990年代末からほとんど頭打ちである。ただし、低下はしていない。

 ところが、事業所規模5人以上の現金給与総額を見ると、【図表1】のとおりであり、97年をピークに、かなり顕著に下落していることが分かる。

 産業別に見るとどうであろうか。

 製造業では、この指標で見ても、2006年までは賃金が下がったとは言えない(図表1)。

 しかし、他の分野では、給与は下がっている。

 【図表2】には、サービス産業における賃金の推移を示す。これらの分野では、給与は顕著に下落した。しかも、後で述べるように、水準自体も低い。

 誠に意外なことに、医療・福祉でも賃金が低下している。「意外」と言ったのは、消費者物価指数で見れば、医療関係の物価は上昇しているからだ。この問題については、後述する。

 したがって、製造からサービスに雇用が移ると、全体の所得が下がることになる。つまり、製造業が放出する受け皿が、製造業より生産性の低い産業であったために、所得が低下するのである。

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野口悠紀雄 [早稲田大学ファイナンス総合研究所顧問]

1940年東京生まれ。63年東京大学工学部卒業、64年大蔵省入省、72年エール大学Ph.D.(経済学博士号)を取得。一橋大学教授、東京大学教授、スタンフォード大学客員教授、早稲田大学大学院ファイナンス研究科教授などを経て、2011年4月より早稲田大学ファイナンス総合研究所顧問、一橋大学名誉教授。専攻はファイナンス理論、日本経済論。主な著書に『情報の経済理論』『財政危機の構造』『バブルの経済学』『「超」整理法』『金融緩和で日本は破綻する』『虚構のアベノミクス』『期待バブル崩壊』等、最新刊に『仮想通貨革命』がある。野口悠紀雄ホームページ

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