HOME

メタボリック

肝臓

腰痛・肩こり

高血圧・高脂欠症

うつ・ストレス

ニオイ

薄毛

老化防止

禁煙

男の病気

虫メガネの原理で超音波を集中
診断と治療の融合に期待
HIFU(高密度焦点式超音波療法)

井手ゆきえ [医学ライター],-週刊ダイヤモンド編集部-
【第67回】

 画像診断でおなじみの超音波を使ったHIFU(高密度焦点式超音波療法)は、がん細胞に焦点を合わせて超音波を集束し、がん細胞を加熱する治療法である。子どもの頃、虫メガネで太陽光を集めて遊んだことはないだろうか。要は、あの原理でがん細胞を80度以上に熱し死滅させるというわけだ。焦点より手前の細胞にはダメージがない。

 照射方法には、身体の内部に超音波を発するプローブを挿入するタイプと、身体の表面にプローブを当て照射するタイプがある。前立腺がんを適応として承認申請中の方法は、内照射タイプ。全身麻酔や局所麻酔下で肛門からプローブを挿入し、少しずつ焦点をずらしながらがん細胞を焼いていく。失禁や勃起障害などの副作用が報告されているが、頻度は少ない。治療後すぐに普通の生活に戻れる点もメリットだ。

 一方、肝がんの治療で臨床研究が進められているのは外照射タイプで、超音波検査と同じように皮膚の表面にゼリーを塗り、そこにプローブを密着させて超音波を照射する。患者は腹部を露出し、普段着のままでベッドに横たわるだけ。究極の身体に優しい治療法だ。検査時との違いは、照射する数秒間は息を止める必要があること。内臓が動くと焦点がずれてしまうからだ。1回の照射範囲が3×3×10ミリメートルと小さいので、3センチメートルのがん塊を焼こうとすると2~3時間はかかる。ここが難点だが、麻酔もない、痛みもない、放射線被曝を気にする必要もないというのは、やはり魅力的だ。

1 2 >>
関連記事
このページの上へ

井手ゆきえ [医学ライター]

医学ライター。NPO法人日本医学ジャーナリスト協会正会員。証券、IT関連の業界紙編集記者を経て、なぜか医学、生命科学分野に魅せられ、ここを安住の地と定める。ナラティブ(物語)とサイエンスの融合をこころざし、2006年よりフリーランス。一般向けにネット媒体、週刊/月刊誌、そのほか医療者向け媒体にて執筆中。生命体の秩序だった静謐さにくらべ人間は埒もないと嘆息しつつ、ひまさえあれば、医学雑誌と時代小説に読み耽っている。

 

週刊ダイヤモンド編集部


専門医の監修を得て、あなたの症状に潜む病気の可能性を検証。カラダのアラームをキャッチせよ。


カラダご医見番

ハードワークのストレスに加え、飲酒や脂っこい食事。ビジネスマンの生活習慣は健康面からは実にハイリスクです。痛い・苦しい・痩せた・太った・イライラする…。そんな症状はどのような病気の兆候なのか?どんな治療が有効なのか?いきいきと働き続けるために、身体と病気に関する正確な知識が欠かせません。

「カラダご医見番」

⇒バックナンバー一覧