後輩は先輩の前で自慢話はしないもの。以前は、そんな暗黙のルールがあったものです。後輩の方が優れていることでも「先輩すごいですね」と持ち上げ、その後に「お前もやるじゃないか」と後輩も称えられるのがお約束。そうした会話が会社の上下関係、ヒエラルキーのなかで繰り返され、職場は円滑に動いていました。
ところがイマドキの若者は、その暗黙のルールを無視して、謙遜することなく、堂々と自慢話をしてきます。そんな自慢話に対して、先輩社員は大いに戸惑っており、なかには「生意気だ」と攻撃を仕掛ける輩までいるようです。
このような「謙遜」に対する若者と上の世代の間にあるギャップは、どのように埋めたらいいのでしょうか。今回は、その解決方法を一緒に考えてみましょう。
会話の目的意識の高さが全く異なる
「日常用」と「仕事用」のコミュニケーション作法
コミュニケーションの作法を、大まかに「日常用」と「仕事用」の2つに分類したとしましょう。違いは何かと言えば、会話する際の目的意識の高さです。
そもそも日常のコミュニケーションは、気晴らしや時間つぶしまで、目的意識がゆるいままに行われがち。例えば、
「R君、起きてた?ねえ、ちょっと聞いてくれない!」
と、相手に対して気兼ねなく、時間さえ気にせずに会話することもあるでしょう。愚痴、悩み相談、単なる気まぐれまで、日常の会話は勝手気ままなものなのです。
ところが、仕事用になると勝手な会話は許されません。上司だろうが同僚だろうが、業務時間内に話しかけるには目的意識が必要です。職場で用事もないので長々と会話していたら、上司に叱られるのがオチ。打ち合わせや情報の共有など、仕事上で必要なテーマがあるからお互いに会話をするのです。
それが部下から上司に対してなら、「報告・連絡・相談」が代表的なパターンでしょう。一方で、上司から部下へは、「ビジネスマナーがなっていない!」や「お客様との待ち合わせには遅れるな。約束を忘れるな」など、教育的指導の意味を込めた会話が半数を占めるかもしれません。
言葉足らずな先輩や上司の意図を汲みとれない
イマドキ若手社員が増加中!?
このように、職場ではヒエラルキー(上下関係)を前提にしたコミュニケーションがたくさん交わされています。
では、あなたの周りに、「例の件よろしく」とか「あれはどうなっているの?」と言葉足らずな話し方をする先輩社員や上司はいないでしょうか。