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東京23区「安心・安全な街」~あなたが住む地域の真のリスクと防災力

渋谷区――少年犯罪多発エリアは、「住み続けたい街」へと生まれ変われるか?

池田利道 [一般社団法人東京23区研究所 所長],小口達也 [一般社団法人東京23区研究所 上席研究員],一般社団法人東京23区研究所
【第15回】 2011年11月2日
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 9月26日、渋谷センター街のメイン通りが「バスケットボールストリート」(通称「バスケ通り」)と名を変えた。

 「なぜバスケットボールか?」については、様々な意見もあるようだ。しかし、チーマー発祥の地と言われ、さらには怪しげな外国人露天商の出没や悪質なキャッチセール等の横行によって、すっかり「怖い街」のイメージが染み付いてしまったセンター街が、名前を変えて再出発を図ろうとする気持ちもよくわかる。

犯罪少年の検挙者数は23区中3位
「若者の街」渋谷が抱える陰の部分

 東京有数の盛り場を擁するものの、渋谷区の犯罪発生件数(刑法犯認知件数)は9位、昼間人口当たりでは15位。それほど犯罪が多いわけではない。しかし、犯罪少年(刑法の罪を犯した14歳以上20歳未満の若者)の検挙者数は3位となる。

 少年犯罪の発生と相関が高い面積当たりでは、23区平均の3倍を超える1位に順位が跳ね上がる。なかでも多いのが、少年による万引きだ。検挙者数1位、面積当たりの検挙者数は、何と23区平均の7倍。他区と比べて頭抜けて多い。

 強姦の発生数が2位であることも、少年犯罪との関連をうかがわせる。渋谷区の犯罪リスクには、若者の街の負の側面が暗い陰を落としている。

 薬物犯罪も、渋谷区を特徴づける犯罪である。麻薬等取締法、あへん法、大麻取締法、覚醒剤取締法の4つの法律による送致件数の合計は3位、大麻取締法に限ると2位だ。昼間人口当たりでは、共に1位を示す。

 薬物犯罪は暴力団との関係が深いが、渋谷区の暴力団犯罪の検挙・送致件数は7位、昼間人口当たりでは11位に止まる。とすれば、ここにも若者の街の陰が見え隠れしてくる。

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池田利道 [一般社団法人東京23区研究所 所長]

一般社団法人東京23区研究所所長。東京大学都市工学科大学院修士修了。(財)東京都政調査会で東京の都市計画に携わった後、㈱マイカル総合研究所主席研究員として商業主導型まちづくりの企画・事業化に従事。その後、まちづくりコンサルタント会社の主宰を経て現職。

小口達也 [一般社団法人東京23区研究所 上席研究員]

一般社団法人東京23区研究所上席研究員。1978年より財団法人・東京都政調査会研究員、都市問題・自治体政策の研究に従事。87年より中央大学社会科学研究所・客員研究員、多摩地区の地域開発研究に従事。その後、フリーを経て現職。

一般社団法人東京23区研究所

東京23区をさまざまな角度から調査・分析している。マーケティングレポートなどを発行。HPはこちら


東京23区「安心・安全な街」~あなたが住む地域の真のリスクと防災力

東日本大震災を機に、自分が住む地域の安全性を気にする人が急増している。世間一般に「安全」と言われている街でも、そうとは限らない場合があるし、「リスクが高い」と言われていても、本当は災害への耐久力が強い街もある。実際のところ、あなたが住む街の安心・安全度はどうなっているのか。この連載では、地震、犯罪、火事、交通事故といった現代社会の4大災難を中心に、東京23区の「防災力」をあらゆる角度から分析する。豊富なデータを基に、「安心・安全な街」の条件を考えてみよう。

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