9月26日、渋谷センター街のメイン通りが「バスケットボールストリート」(通称「バスケ通り」)と名を変えた。

「なぜバスケットボールか?」については、様々な意見もあるようだ。しかし、チーマー発祥の地と言われ、さらには怪しげな外国人露天商の出没や悪質なキャッチセール等の横行によって、すっかり「怖い街」のイメージが染み付いてしまったセンター街が、名前を変えて再出発を図ろうとする気持ちもよくわかる。

犯罪少年の検挙者数は23区中3位
「若者の街」渋谷が抱える陰の部分

 東京有数の盛り場を擁するものの、渋谷区の犯罪発生件数(刑法犯認知件数)は9位、昼間人口当たりでは15位。それほど犯罪が多いわけではない。しかし、犯罪少年(刑法の罪を犯した14歳以上20歳未満の若者)の検挙者数は3位となる。

 少年犯罪の発生と相関が高い面積当たりでは、23区平均の3倍を超える1位に順位が跳ね上がる。なかでも多いのが、少年による万引きだ。検挙者数1位、面積当たりの検挙者数は、何と23区平均の7倍。他区と比べて頭抜けて多い。

 強姦の発生数が2位であることも、少年犯罪との関連をうかがわせる。渋谷区の犯罪リスクには、若者の街の負の側面が暗い陰を落としている。

 薬物犯罪も、渋谷区を特徴づける犯罪である。麻薬等取締法、あへん法、大麻取締法、覚醒剤取締法の4つの法律による送致件数の合計は3位、大麻取締法に限ると2位だ。昼間人口当たりでは、共に1位を示す。

 薬物犯罪は暴力団との関係が深いが、渋谷区の暴力団犯罪の検挙・送致件数は7位、昼間人口当たりでは11位に止まる。とすれば、ここにも若者の街の陰が見え隠れしてくる。

渋谷区――少年犯罪多発エリアは、「住み続けたい街」へと生まれ変われるか?