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効果とコストと安全性と
加齢黄斑変性の最新事情
血管新生阻害薬

井手ゆきえ [医学ライター],-週刊ダイヤモンド編集部-
【第68回】

 中途失明要因の一つ、加齢黄斑変性(AMD)がじわじわ増えている。網膜の中心部にある「黄斑」組織に異常が生じる病気で、AMDを発症すると視野の中央がゆがむ、モノが小さく暗く見えるなどの症状が出てくる。徐々に組織が萎縮する「ドライ」タイプと、病的な血管が増殖し(血管新生)滲み出した血液で黄斑組織が損なわれる「ウエット」タイプがあり、後者は進行がかなり早い。

 ただ近年、ウエットタイプの治療法は格段に進化した。以前の侵襲的治療に代わり標準治療になったのは、がんの分子標的薬から派生した血管新生阻害薬。病的な血管の増殖を阻止する眼内注射薬で、日本では2008年に「ペガプタニブ(販売名マクジェン)」が、09年に「ラニビズマブ(販売名ルセンティス)」が承認された。

 特にラニビズマブは視機能改善効果があり、最初に使われることが多い。ただし、根治療法ではないので初期の3ヵ月は毎月1回、その後も定期的な注射が必要だ。視力を失わない手間は惜しまないが、問題は薬価が約18万円と高いこと(3割負担で5万円超)。このあたりは海外でも同じで、米国ではAMD未承認だが1回のコストが40分の1の約50ドルですむ「ベバシズマブ」が“影の第1選択薬”になっていた(日本でも未承認)。そもそも、ラニビズマブはベバシズマブをAMD用に改良した薬剤で、承認を待つ間に「元祖」の使用が広まったらしい。

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井手ゆきえ [医学ライター]

医学ライター。NPO法人日本医学ジャーナリスト協会正会員。証券、IT関連の業界紙編集記者を経て、なぜか医学、生命科学分野に魅せられ、ここを安住の地と定める。ナラティブ(物語)とサイエンスの融合をこころざし、2006年よりフリーランス。一般向けにネット媒体、週刊/月刊誌、そのほか医療者向け媒体にて執筆中。生命体の秩序だった静謐さにくらべ人間は埒もないと嘆息しつつ、ひまさえあれば、医学雑誌と時代小説に読み耽っている。

 

週刊ダイヤモンド編集部


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