悩むより、始めてみる。

 仕事には、

 ①始めてみると、思ったより時間がかかる仕事

 ②始めてみると、大体予想どおりの時間がかかる仕事

 ③始めてみると、思ったよりすぐ終わる仕事

 の3通りがあります。

 中でも圧倒的に多いのは、③です。

 やる前は、「これぐらいかかるかも。でも、ひょっとしたらもっとかかりそうだ」という気がします。

 そういう時は、仕事の大半は思ったより早く終わることが多いので、とりあえず始めてみることです。

 これは将棋の山崩しと同じです。

 山崩しの山の中には、どれにも触れていないでスッと簡単に取れるコマがたくさんあります。 

 それをどかすと、次にまたサッと取れるコマがたくさん出てきます。

 別のコマに乗ってしまって取りにくいコマはごくわずかなのです。

 山崩しも仕事もやってみないことには何もわかりません。

 1カ月間悩みに悩んで、やってみたら15分ぐらいで終わる仕事もあります。

 15分で終わるか、1カ月と15分で終わるかの差なのです。

 たとえば、編集者の作業も同じようなものです。

 本のゲラにポストイットがたくさん貼ってあるのを見ると、最初は「うわぁ」という気持ちになって、机の横に積み上げたくなります。

 でも、実際に見てみると、一瞬で判断できることだらけなのです。

 やってみると、かかる時間は短いことがすぐわかります。

 やらないで机に載っている時間が長ければ長いほど、心理的にかかる負担だけが圧倒的に増えるのです。