細野原発担当大臣秘書官から
自由報道協会に届いた知らせ
フリーライターの畠山理仁氏(自由報道協会幹事長)が繰り返し繰り返し電話し、ようやく反応があったのは11月4日のことだった。
3・11の震災後、長らく申し入れを行ってきた自由報道協会を筆頭とするフリー記者にとって、想定していたとはいえ、それはきわめて残念な回答だった。
「畠山さんを含め複数のフリーランス記者(10名以内)から申込書を受け取りました。細野(豪志原発担当大臣)にも相談しましたが今回はお断りせざるを得ない。他の方とも情報共有してください」
11月12日の細野大臣の原発視察同行取材はこうしてあっさりと拒絶された。畠山氏が電話を掛け続けたのは渋谷尚久秘書官である。
まったくもってひどい話だ。こうしたアンフェアな所業をなんと説明すればいいのだろう。
霞ヶ関の役人と大手メディアで構成される「官報複合体」の不正義は、なにも今に始まったことではない。
この数十年間、何度となく繰り返されてきたことが、今回同じように繰り返されただけに過ぎない。
いわば、こうした不平等システムの存在は日本においては日常の事象といえる。
だが、世界ではまったく事情が異なる。今回の原発取材の申し込みに関しても、数ヵ国の特派員たちは、細野原発担当相のお粗末な申し入れに断固として拒否を示している。それは次のような事前の条件がつけられたことに対する拒絶反応ともいえる。