任天堂スイッチ大ヒットが玩具クリスマス商戦の逆風になる理由クリスマス商戦を目前にしてなお、スイッチは品薄だ Photo by Wakako Otsubo

 街中には、イルミネーションが点灯され、クリスマス商戦が本格化する。玩具業界では、クリスマスと年末年始で年間売上高の4割を稼ぎ出すといわれている。

 今年の商戦はどうなるのか。その試金石として注目されているのが、「ニンテンドー3DS」向けの新作ゲームソフト、「ポケットモンスター ウルトラサン・ウルトラムーン」。ゲーム専門誌「ファミ通」の調べでは、発売から3日間で120万本を売り上げたという。発売直後の動きとしては大型タイトルに匹敵する。ポケモンシリーズは小中学生男子に人気の高いゲームソフトだけに、「クリスマスギフトとして、売り上げはさらに加速する」(量販店の売り場担当者)と流通業界からの期待も大きい。

 ゲーム業界では、今年3月に発売された「ニンテンドースイッチ」が大ヒットし、据え置き型の「プレイステーション(PS)4」も好調だ。3DSソフトでもポケモンなどがヒットしており、商戦は盛り上がりつつある。

スイッチの品切れが試練

 にもかかわらず、ある玩具専門店の役員は浮かぬ顔だ。「お客は、玩具専門店なら何でもそろうはずと期待して来店するのだが、ニンテンドースイッチを置いていなかったら、店のイメージダウンにつながるかもしれない」と嘆く。