「7つのマーケティング・クリエーション」とは?

 「マーケティング」の作用により、仕事を受注できるようになると、商品を製造・販売し、サービスを提供し、さらに広げるために営業するうえで、オペレーションを遂行する人員と仕組みが必要となる。

『殺し屋のマーケティング』は、そこで説いているマーケティングの中核理論「7つのマーケティング・クリエーション」を1枚のシートで表すことができるが、その中で、「ストーリー」は起業家や経営陣が主に担うべきであり、次の「コンテンツ」の部分から、効果的な「マネジメント」が必要となる。

吉祥寺「小ざさ」式<br />40年間行列が途絶えない<br />「マネジメント」の真髄は<br />「○○の人を雇いなさい!」<br />「頭で採るより○で採れ!」<br />「同族こそ最強?」「7つのマーケティング・クリエーション」
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 特に「モデル」が形づくられるようになり、「エビデンス」が積み上がっていく状況の中で、「スパイラル」的に業務が拡大していくので、戦力となる社員の数と質もそれに伴い必要となり、「マネジメント」の重要性はますます重要となる。そして「ブランド」を形成できるようになり、それが維持されるようになると、優秀な人材が合流するようになってくる。

 吉祥寺「小ざさ」も、まずは一族だけの少ないユニットで始まったはずである。けれども、「ブランド」が確立して、売上が増大して行く中で、従業員の数も、職人の数も増えていく。

 吉祥寺ダイヤ街にある店舗の面積はたしかに1坪であるが、なにも、そこで「幻の羊羹」と最中を作っているわけではない。
 製造している工場が他の場所にある。
 年商3億円超と言われる売上を生み出す商品は、その工場と多くの職人たちによって作られている。

 それでは、40年以上行列が途絶えない吉祥寺「小ざさ」では、どんな「マネジメント」が行われているのだろうか?

『1坪の奇跡』の著者であり、吉祥寺「小ざさ」を実父・伊神照男氏とともに現在の形に作り上げた稲垣篤子氏に聞いた。