特許切れ先発薬の薬価引き下げへ、久光・持田・科研製薬に逆風(写真はイメージです)

「そういう会社には市場から退場していただきましょう、ということですよね」(アナリスト)

 穏やかならぬ発言が指すのは、特許が切れて後発品(ジェネリック)が出た後の先発医療用医薬品、いわゆる「長期収載品」の売り上げに依存する製薬会社である。

 厚生労働省が11月22日に発表した薬価制度の抜本改革案に、長期収載品の薬価が大幅に引き下げられることが記載された。薬価とは医療用医薬品の公定価格。具体的には特許切れ後にジェネリックが登場してから10年経過した時点で後発品価格の2.5倍まで引き下げ、その後(1)後発品置き換え率が80%以上の場合は6年かけて後発品価格まで引き下げる、(2)80%未満の場合は10年かけて後発品価格の1.5倍まで引き下げるという内容だ(下図参照)。

 長期収載品にとって強烈な逆風だ。しかし膨張する社会保障費を抑制するため、国が薬剤費、とりわけ長期収載品に手を付けてくるのは、多くの製薬会社が以前から予想していたことではある。