大胆な政策を打ち出した
橋下さんを支持した大阪市民

 11月27日に投開票された大阪市長選挙では、大差をつけて橋下徹氏が平松邦夫氏に圧勝しました。特に、若い世代ほど橋下さんを支持する傾向が顕著に表れた選挙だったといえます。

 橋下さんは「大阪都構想」や「教育基本条例」などの新しい提案を掲げて選挙戦に臨みました。実現性があるかどうかはさておき、橋下さんは極端とも思える政策を前面に打ち出して大阪市民の関心を引きました。

 あまりに極端なことを言う姿は、年配層やインテリ層からは非現実的なことを思いつきで言っているように見られました。しかし、一般の有権者はそこまで自信をもって言い切る橋下さんを、大阪の将来を真剣に考える人と捉えたのかもしれません。

 一方の平松さんは、橋本さんの提案を批判することに終始しました。
遅まきながら「なにわルネッサンス2011」構想などを提示しますが、橋下さんの大胆で極端な政策を知った大阪市民には凡庸に映り、インパクトを与えることはできませんでした。

 市民にとってみれば、平松さんの「今まであった良いものは守り、さらに良くする」という主張は、ぬるま湯的で必死さが感じられないと映ったのでしょうか。

 閉塞感が支配する日本には今、あらゆる局面で「何かを変えなければならない」と考える風潮が広がっています。そして閉塞感を打ち破るための、抜本的かつ即効性のある変化を求める人が多くを占めるようになってきたように感じます。

 今までの延長線上で「様子を見ながら少しずつやっていきましょう」という考えは受け入れられにくくなっているようです。