ダイヤモンド社のビジネス情報サイト
田村耕太郎の「坂の上に雲はない!」

プーチン・ショックが日本を襲う!?
危機到来でロシアが隣国に仕掛け始める可能性

田村耕太郎
【第35回】 2011年12月20日
著者・コラム紹介バックナンバー
1
nextpage

旧ソ連崩壊以来の大規模デモで
プーチン帝国は崩壊するか?

 ロシアでデモが広がっている。その規模はソビエト崩壊時以来のものだという。プーチンは危ないのか?結論から言えば、まだ今の時点では、プーチン帝国はびくともしないだろう。しかしその帝国は、前回プーチンが大統領だった時のものとは大きく違った様相を呈することとなろう。そして、プーチン帝国はゆっくりと崩壊へと向かっていくと思う。

 まず、“とりあえず”プーチン安泰の理由を以下に挙げよう

・ロシア人はプーチンが嫌いなわけではない。

 プーチンの支持率はまだ4割以上あり、個人の政治家としては断トツの人気。有力な大統領選対抗馬の影も形も見えない。強権政治への待望も根強い。有力シンクタンク、ピュー財団の調査によれば、ロシア人は今でも57%対32%で“強権的リーダー”を“民主主義”より好む。FOXニュースが伝えた暴動に近いデモの映像は、実はギリシャのアテネの映像。「モスクワにはヤシの木は生えていない」と同局に多くの批判が集中した。実際のデモはかなり整然としたものだった。

・治安部隊の支持は圧倒的にプーチン

 “アラブの春”で政権交代を起こした国(チュニジア、エジプト等)に共通するのが、治安部隊の弱さとリーダーへの忠誠心のなさ。これに比べて、KGB出身のプーチンは“元同僚”である治安部隊に崇拝に近いくらい信奉されている。加えて、ロシアの治安部隊の練度と強さは中東諸国の比ではない。相当な規模の扇動デモなら今でも徹底して弾圧できるだろう。逆に、この恐怖から国民は簡単に扇動的なデモを起こせない。

・デモの規模がまだ不十分

 デモのそもそもの理由は“プーチン反対”ではない。“不正選挙”に対するもの。規模も5~10万人程度で全国も散発的な程度。これでは政治的影響力はまだまだ限定的。

1
nextpage
関連記事
スペシャル・インフォメーションPR
クチコミ・コメント

DOL PREMIUM

PR
【デジタル変革の現場】

企業のデジタル変革
最先端レポート

先進企業が取り組むデジタル・トランスフォーメーションと、それを支えるITとは。

経営戦略最新記事» トップページを見る

最新ビジネスニュース

Reuters

注目のトピックスPR

話題の記事

田村耕太郎

エール大学、ハーバード大学元研究員。
世界で最も多くのノーベル賞受賞者を輩出したシンクタンク、ランド研究所にて唯一の日本人研究員を務めた。新日本海新聞社相談役。前大阪日日新聞代表取締役社長。国立シンガポール大学公共政策大学院元研究員。
‘02年から‘10年まで2期参議院議員を務める。その間、内閣府大臣政務官(経済財政・金融・地方分権・再チャレンジ各担当)、参議院国土交通委員長を歴任。
著書には『君は、世界を迎え撃つ準備ができているか?』『君は、こんなワクワクする世界を見ずに死ねるか!?』などがある。

 

 


田村耕太郎の「坂の上に雲はない!」

欧米だ、シンガポールだ、韓国だ、中国だ、そんなことを言っても、キャッチアップのモデルはもはや世界に存在しない。日本は日本の現状に合わせて自らをモデルチェンジするしかない。坂の上にもはや雲はない!

「田村耕太郎の「坂の上に雲はない!」」

⇒バックナンバー一覧