中興の管理層が言ったといわれる、精神疾患については、

「まったくそんなことはありません。退職勧告を受けてからも、彼は冷静でした。経歴からすれば仕事は見つかるし、9歳の息子に英語を教え、2歳の娘に本を読んであげていた」

中国社会の深い闇、極貧から這い上がったあるエリート社員の死家族のために、頑張ってきた人がそんな簡単に自殺するのだろうか。死の一週間前とされる写真

 中興の本社は、毎日経済新聞の取材に対してこれは子会社の深セン中興網信科技有限公司の事件であり、そちらで処理をする、すでに警察も介入していると回答した。ただ当初からこの事件は、他殺の可能性のないものとして取り扱われている。

 一方、直接の勤め先であった深セン中興網信科技有限公司は、確かにそういう事件はあった、今、遺族の方々とも密接に連絡をとり、適切に対処している。なおリストラについては収まっており、営業活動はすべて正常である。巷で言われるような大規模なリストラはなかった、と答えた。

 記事は、労働契約の一方的な解除と持ち株の社への強制的回収は、労働法の違反である、我々はこの事件について引き続き調査を続けると結ばれていた。

 しかし、読者からのたくさんのコメントの中で、一番支持を集めていたのは、

 “事は、そんな簡単じゃないわ”

 である。

 現在、情報はさらに入り乱れ、初期の報道も消されたり転載で書き換えられたり、こういう人が墜落死したという事実以外、真実は誰にもわからない。      

 中国企業は、官や闇社会の侵入、その他、外国人にはうかがい知れない非常にブラックな部分を抱えていることが多い。そして中国人は“法の保護”のない世界で、暮らしている。

 現在、日本では“中国スゲー論”が勃興しているとか。事実、中国のIT関係の発展のすさまじさは、北京に17年暮らす私も認める。

 しかし、その“中国スゲー”は、さまざまな“中国コエー(怖えー)”に支えられていることをお忘れなく。