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スマートフォンの理想と現実

スマートフォンは誰のものか?

クロサカタツヤ [株式会社 企/株式会社TNC 代表]
【第16回】 2012年1月26日
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 「スマートフォンは誰のものか?」

 そんな問いを投げかければ、スマートフォン保持者のほぼ全員は「当然私のものです」と答えるだろう。消費者が自らお金を出して買い求め、回線を契約している。そのスマートフォンが自分のものでないはずはない。

 ところで、あなたの手元にあるスマートフォンは、あなただけが支えているわけではない。端末を作る人(メーカー)、回線を提供する人(通信事業者)、サービスを提供する人(コンテンツプロバイダー)、その流通を促進する人(プラットフォーム事業者)、あるいは遠いところではスマートフォンに電源を供給する人(電力事業者)も、ステイクホルダーとなる。

 では、そのステイクホルダーの全員が、あなたのスマートフォンを、あなたのもの、あるいは「あなただけのもの」と考えているのだろうか。

 一見単純だが、実は深遠な課題である。そしてその課題が、このところ浮き彫りにされつつある。

突然の広告配信に対する
静かな反発

 KDDIがAndroid上で提供するアプリケーション配信プラットフォーム「au one market」上で、広告配信がスタートした。これにより、Androidの通知領域(不在着信や新着メールなどを通知するバー)に、広告が表示されるようになった。

 この広告配信が、一部で物議を醸している。その理由は様々だが、概ね「気がつかないうちに勝手に広告が入っていたのが気持ち悪い」「Androidの通知領域という比較的重要な場所を広告が占めるのは受け入れられない」というあたりに集約されそうだ。

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クロサカタツヤ[株式会社 企/株式会社TNC 代表]

1975年生まれ。慶應義塾大学・大学院(政策・メディア研究科)修了後、三菱総合研究所にて情報通信分野のコンサルティングや国内外の政策調査等に従事。その後2007年に独立し、現在は株式会社企(くわだて)代表として、通信・メディア産業の経営戦略立案や資本政策のアドバイザー業務を行う。


スマートフォンの理想と現実

2011年はスマートフォンの普及が本格化する年になる…。業界関係者の誰しもがそう予感していた矢先に発生した東日本大震災は、社会におけるケータイの位置づけを大きく変えた。しかし、スマートフォンの生産に影響が及びつつも、通信事業者各社はその普及を引き続き目指し、消費者もまたそれに呼応している。震災を受けて日本社会自体が変わらなければならない時に、スマホを含むケータイはどんな役割を果たしうるのか。ユーザー意識、端末開発、インフラ動向、ビジネスモデル等、様々な観点からその可能性と課題に迫る。

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