日本では従来、ワクチンに入れるたんぱく質量の上限基準が低く、大流行を起こしやすいA型を優先させると、どうしてもB型は後回しになり、「こっちが流行しそうだ」という仮定に基づいた1系統しかワクチンに入れることができなかった。

 しかしこの数年、B型でも2系統の流行が続き、「予想が当たっても、当たらなくても50%の確率で別系統に感染・発症してしまう」ことが指摘されたため、2015年に前述の検討会議でたんぱく質量の上限基準を改訂。ようやく日本でもA型2系統、B型2系統をカバーするワクチンが導入されたのだ。

 つまりB型をしっかりカバーする4価ワクチンはまだ3シーズン目ということになる。ワクチンによる集団免疫が底上げされるには、結構時間がかかるので、もともと抗体保有率が少ない世代は発症を予防するというより「重症化を防ぐ」と割り切ったほうがいいだろう。

A型とB型では症状が違う?
エビデンス的には“同じ”

 ネットを検索すると「B型インフルエンザはA型とくらべて症状が軽い」「お腹にくる」「下痢インフル」などの情報が出てくる。中には「症状が軽いので、インフル感染とわからず出社してしまった」なんて告白もチラホラ。果たして、どうなのだろうか?

 インフルエンザAvsB型の臨床症状を比べた研究はいくつかあるが、各国の臨床研究をもとにインフルエンザの症状を解析した報告によると(Glezen P, et al.; Am J Public Health. 2013 Mar;103(3):e43-51.)A型、B型ともに高熱、悪寒、頭痛、下痢、筋肉・関節痛など典型的な症状での差はなく、重症度についても同じである。