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野口悠紀雄の「経済大転換論」

日本の電機産業は生き残れるか?

野口悠紀雄 [早稲田大学ファイナンス総合研究所顧問]
【第5回】 2012年2月9日
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 2012年3月期の決算で、日本の電機メーカーの多くが大幅な赤字に落ち込むことが予想されている。この状況を見て、日本の製造業について、改めて強い危機感を持った人が多いだろう。崖っぷちに立たされている日本の製造業は、はたして生き残れるのだろうか? そして、製造業全体として、日本は世界経済のなかで適切な分業関係を実現しているのだろうか?

 以下では、これを貿易面から見ることとしよう。

コンピュータと電気機器は
すでにネット輸入国

 【図表1】には、電算機類(含周辺機器)と、電算機類の部分品についての輸出・輸入比率を示す(注1)

 電算機類では、1980年代には輸出が輸入の4~5倍程度あった。しかし、90年代の前半にこの比率が急低下し、90年代の中頃には1倍台になった。そして、2000年以降は、輸入が輸出を上回るようになった。2011年においては、輸入が輸出の約4倍である。

 部品も90年代に輸出・輸入比率が低下したが、完成品ほどではなかった。そして、01年をボトムとして、その後は徐々にではあるが、輸出・輸入比率が上昇している。11年においては、輸出が輸入の約2.5倍ある。

 このように、コンピュータについては、最終組立工程が海外に移っていることがわかる。

 【図表2】には、電気機器、半導体等電子部品、音響映像機器(含部品)の輸出・輸入比率を示す。

 もっとも下落が激しいのが、テレビを含む音響映像機器だ。1988年においては輸出が輸入の10倍を超えていたが、90年代に急低下し、90年代の中頃には、輸出・輸入比率は2程度の値になった。その後、2008年頃までは比率は2程度で安定していたが、経済危機後に再び下落が始まり、10年には輸入が輸出を上回るようになった。11年における輸出・輸入比率は0.83である。

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野口悠紀雄 [早稲田大学ファイナンス総合研究所顧問]

1940年東京生まれ。63年東京大学工学部卒業、64年大蔵省入省、72年エール大学Ph.D.(経済学博士号)を取得。一橋大学教授、東京大学教授、スタンフォード大学客員教授、早稲田大学大学院ファイナンス研究科教授などを経て、2011年4月より早稲田大学ファイナンス総合研究所顧問、一橋大学名誉教授。専攻はファイナンス理論、日本経済論。主な著書に『情報の経済理論』『財政危機の構造』『バブルの経済学』『「超」整理法』『金融緩和で日本は破綻する』『虚構のアベノミクス』『期待バブル崩壊』等、最新刊に『仮想通貨革命』がある。野口悠紀雄ホームページ

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野口悠紀雄の「経済大転換論」

日本経済は今、戦後もっとも大きな転換期にさしかかっている。日本の成長を支えてきた自動車業界や電機業界などの製造業の衰退は著しく、人口減や高齢化も進む。日本経済の前提が大きく崩れている今、日本経済はどう転換すべきなのだろうか。野口悠紀雄氏が解説する。

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