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電機各社の明暗はなぜこれほどはっきり分かれたか?
日の丸産業を襲う地殻変動の正体と復活への提言

真壁昭夫 [信州大学教授]
【第213回】 2012年2月14日
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なぜ明暗がこれほど分かれたのか?
電機大手8社が持つ「強み」と「弱み」

 わが国の電機大手が、2012年3月期における業績予想の下方修正を相次いで発表している。

 それを見ると、パナソニックが7800億円、シャープが2900億円、ソニーが2200億円、NECが1000億円の赤字となっており、いずれも大幅な収益の低下が見込まれている。

 それとは対照的に、他の企業は日立製作所が2000億円、三菱電機が1000億円、東芝が650億円、富士通が350億円の黒字を見込んでいる。わが国を代表する電機産業において、メーカー各社の明暗がこれほどはっきり分かれたことは注目に値する。

 昨年は、3月の大震災、タイの洪水、さらには歴史的な円高など、わが国企業を直撃する不安要素が多かった。また、各社とも様々な事情を抱えているため、現段階で決算予想の数字を鵜呑みにすることはできない。

 しかし、電機大手8社を大掴みに見ると、家電を中心に手がけるパナソニック、シャープ、ソニーといったメーカーが、世界的な家電製品の競争激化による価格下落に苦しめられている一方、新興国などにおけるインフラ投資の需要拡大に対応した、日立、東芝、三菱電機などの総合電機メーカーが健闘する姿が浮かび上がる。

 こうした状況の背景には、部品を組み立てれば完成品にすることができる、相対的に製品の差別化が難しいテレビなどを主力製品とするわが国企業が、中国や韓国など新興国企業との激しい価格競争に巻き込まれていることがある。

 価格競争に巻き込まれると、コスト水準の高いわが国企業に勝ち目はない。それに対して、新興国企業の参入が少ない産業用機械や重電の分野では、わが国企業が、高い技術力やメンテナンス機能を生かして、高い収益力を維持しているのである。

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真壁昭夫 [信州大学教授]

1953年神奈川県生まれ。一橋大学商学部卒業後、第一勧業銀行(現みずほ銀行)入行。ロンドン大学経営学部大学院卒業後、メリル・リンチ社ニューヨーク本社出向。みずほ総研主席研究員などを経て現職に。著書は「下流にならない生き方」「行動ファイナンスの実践」「はじめての金融工学」など多数。


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