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あなたは検査する? しない?
米国政府、全年齢で推奨せず
前立腺特異抗原(PSA)検査

井手ゆきえ [医学ライター],-週刊ダイヤモンド編集部-
【第81回】

 前立腺がんの早期診断に役立つとして前立腺特異抗原(PSA)検査が日本に普及し始めたのは21世紀の声を聞いてからだ。米国では1980年代末から広く定着した結果、92年前後をピークとして前立腺がんによる死亡率は低下した、とされている。

 しかし昨年10月、米国政府の予防医学作業部会はすべての年齢の男性に対し「PSA検査は勧められない」との“暫定”勧告を発表した。五つの大規模臨床試験を分析した結果、年齢、人種、家族歴にかかわらずPSA検査を受けたとしても死亡率を下げるという証拠を見出せず、それよりも不要な治療による後遺症や診断のショックによるデメリットのほうが大きいというのだ。さすがにこの勧告には「時期尚早」という声が上がり、現在意見公募中である。

 なぜこんなヤヤコシイことになるのか。一つにはPSA検査の精度の問題がある。一般にPSA検査結果では要2次検査ゾーンは4ng/ミリリットル以上。ただしその中には前立腺がんと前立腺肥大が混在し、擬陽性も少なくない。また、前立腺がんは進行がきわめて遅いため、自分ががんであることに気づかぬまま寿命を迎える人が多い。組織検査で前立腺がんと確定診断された場合でも、前立腺がん死するのは40人に1人。むやみに治療をする意味があるのか、疑問視されるゆえんだ。実際、最近は診断されてもすぐに治療を開始せず、定期的な検査をしながら経過観察を行う「PSA監視療法」を採用する施設が日米で増えている。

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井手ゆきえ [医学ライター]

医学ライター。NPO法人日本医学ジャーナリスト協会正会員。証券、IT関連の業界紙編集記者を経て、なぜか医学、生命科学分野に魅せられ、ここを安住の地と定める。ナラティブ(物語)とサイエンスの融合をこころざし、2006年よりフリーランス。一般向けにネット媒体、週刊/月刊誌、そのほか医療者向け媒体にて執筆中。生命体の秩序だった静謐さにくらべ人間は埒もないと嘆息しつつ、ひまさえあれば、医学雑誌と時代小説に読み耽っている。

 

週刊ダイヤモンド編集部


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