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橋下徹氏が手に入れた
「ベーシックインカム」という新兵器

山崎 元 [経済評論家・楽天証券経済研究所客員研究員]
【第220回】 2012年2月22日
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「維新八策」に
仕込まれた武器

 もともと弁舌が巧みで論争に強い橋下徹氏が、新たに強力な論争用の武器を手に入れた。それは、「ベーシックインカム」だ。

 ベーシックインカムは、最低所得補償の一種で、政府が全国民に一律に一定額の現金を、無条件で配るという政策だ。単純で一見荒唐無稽に見えかねない政策なのだが、多角的な批判に耐える合理的な政策だ。筆者は、ブログや雑誌の原稿で何度かベーシックインカムを取り上げたことがあるが、どんな批判に対しても簡単に反論できるベーシックインカムの合理性を伴った切れ味に、内心驚いた経験を持っている。この武器をあの橋下氏が使いこなすようになると想像すると、なかなか楽しいものがある。もちろん、彼と対立する人達にとっては厄介な状況だ。

 さて、大阪の知事・市長ダブル選挙に大勝して勢いに乗る橋下徹氏率いる維新の会が、同会の基本政策として示した「維新八策」が注目されている。維新八策には、まだ詳細が発表されたわけではないが、「TPP交渉参加」、「日米同盟重視」といった現実的な政策から、「首相公選」、「参院廃止」のような実現へのハードルの高そうな政策までが並んでいるが、国民生活の視点からは、年金制度の改革を含む社会保障政策が注目に値する。

 前述のように、維新八策はまだ詳細な具体像が明らかになったわけではないが、維新の会の社会保障改革案は、「積立方式」、「掛け捨て年金」、「ベーシックインカム」の三つのキーワードを持つ。

 仮に、ベーシックインカムをベースとして(こちらの財源は税だろう)、老齢時に資産のない人を援助する追加支出部分を年金保険(掛け捨て年金)として持つようなセーフティーネットを作り、自助努力のための積立方式のフェアな年金制度を併せて用意しよう、ということなら、年金財政、世代間格差、年金を含む社会保障行政の非効率性など多くの問題が解決する。社会保障改革は、維新八策の中でも、是非実現したい目玉政策だ。

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山崎 元 [経済評論家・楽天証券経済研究所客員研究員]

58年北海道生まれ。81年東京大学経済学部卒。三菱商事、野村投信、住友信託銀行、メリルリンチ証券、山一證券、UFJ総研など12社を経て、現在、楽天証券経済研究所客員研究員、マイベンチマーク代表取締役。


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