前回ご紹介した転職ドリーマーの失敗パターンとは対照的に、納得のいく転職を果たし、充実したキャリアを歩んでいる人たちには共通の特徴がありました。その人たちは、自発的で、明確な軸を持っているのです。では、どうしたら自発的になり、明確な軸を持つことができるのでしょうか。
納得のいく転職をした人たちはこうしていた!
どうしたら自発的になることができ、明確な軸を持つことができるのでしょうか。また、この2つ以外に共通した特徴はあるのでしょうか。筆者は重要なポイントを「7つの成功法則」にまとめてみました。いずれも手っ取り早く対応できるものではなく、地道に時間をかけて努力する必要があります。
しかし、これらの成功法則は実際に成果があったことばかりです。ぜひ、参考にしていただければと思います。
法則1 とことんやりきった経験が基礎に
法則1は、最初の転職をする前に、どんな業務でもいいから、とことんやりきった経験があるということです。なぜ、このような経験が役に立つのでしょうか。
第1の理由は、軸を形成するには、その前にスポンジのような吸収力が必要ということです。軸、つまり、やりたいこと、できることとは、何もしていないのに自覚できるものではありません。業務をこなし、試行錯誤をしてみて、はじめてやりたいこと、できることがわかってくるものです。
第2の理由は、さまざまな種類の新しい課題、難しい課題に取り組み、乗り越えること自体が自信につながり、他責的な傾向を減少させていくということです。若手としてビジネス経験が浅い段階では、どうしても成功体験が不足していて自信が持てません。
しかし、新しい課題や難しい課題を乗り越え、成功体験が増え、自信がついてくれば、自分が能動的に動くことで成果をあげられることに気がついてきます。そうなってくれば他責で自分を正当化するより、どんどん自分が動くことに面白みを感じるようになっていくわけです。
法則2 社内、社外で、大勢の人から助言をもらおう
法則2は、社内、社外でなるべく多くの人とつきあい、助言をもらうことです。これには、メンターをつくるという意味と、越境学習をするという意味があります。
メンターとは何でしょうか? 簡単に言えば、自分よりも経験があり、自分の悩みについて相談に乗ってくれる人のことです。特に社外のメンターは、自社の枠組みを離れて、客観的な立場から助言をしてくれます。また、社内の価値観だけでは難しいキャリアに関する意味づけをしてくれることもあるのです。
それでは、社外のメンターを複数つくるためにはどうしたらいいのでしょうか。ここでお勧めしたいのが、越境学習です。越境学習とは、自分の職場以外での学習に参加すること、特に社外での学習に参加することを意味します。
越境学習に参加することで、社外のメンターと知り合う機会を増やすことができ、また参加者からの生の情報を通して他社のさまざまな実態を知ることができます。これは、転職するかしないかを検討するときに大変参考になる情報となります。
法則3 資格よりも、仕事を回すコツを修得しよう
成功法則にあてはまる人たちに「どのようにスキルを習得しましたか」と質問すると、「とにかく仕事をがむしゃらにがんばること。仕事上逃げないで、あらゆる問題に首を突っ込むこと」と共通して回答します。つまり、どの人も日常の仕事の中にこそ、自分のスキルを伸ばすチャンスが多く存在すると思っているのです。
日常の仕事の中で、意識していて習得しているスキルは、人とコミュニケーションするコツ、ロジカルに考えるコツ、自らの軸に基づく専門性に関するスキルの3点です。この3点を見てみると、まさに日常の仕事を回すコツそのものでしょう。
一方、資格も取得していることが多いのです。しかし、あくまでも資格そのものを取ることが目的ではなく、「仕事を回すコツ」を強化することに役立つ専門的知識を学ぶために資格を勉強していたのです。