
転職先でも成果を出してうまくいく人と、イマイチ伸び悩む人。その違いはどんなところにあるのだろうか。
ダイヤモンド・オンライン会員限定で配信中の本連載をまとめた電子書籍『結果を出す人の仕事術』(石倉秀明著)の発売を記念して、特別編をお届けする。(構成/ダイヤモンド・ライフ編集部)
転職先でも活躍できる人と
イマイチな人の違いとは?
終身雇用の崩壊で、転職がますます当たり前の時代になってきました。ただ、転職先で全ての人が活躍できるかというとそうではありません。残念ながら、期待されて入社したものの、思うように成果を出せない人もいます。
どんな場所でも成果を出せる人と、新しい場所で成果を出すことに苦戦する人。この違いは何なのでしょうか。
これをひもとくポイントは、「3種類の人的資本」にあります。
人的資本とは、スキルを含め、知識や能力、仕事の進め方などその人が持っているものを資本として捉える考え方ですが、これは大きく3つに分けられます。
その人の仕事内容や職種に結びつく「職種・仕事特有の人的資本」、業界ならではの用語や知識などが含まれる「業界・業種特有の人的資本」、その会社の人間関係や独自の文化、仕事の進め方といった「会社特有の人的資本」の3つです。
この中で、基本的に「どこへ行っても通用する」のは最初に挙げた職種・仕事特有の人的資本だけです。業界・業種特有の人的資本についてはケースバイケース。会社特有の人的資本に至っては、その名の通り、会社によって変わってしまいます。
つまり、転職するとさいあく、これまで積み上げてきた人的資本の「3分の2」を失ってしまうということ。少なくとも会社特有の人的資本は失われますから、良くて「3分の1マイナス」からのスタートなのです。
転職成功の確率を上げる
本当に大事な準備
新しい職場で活躍するには、早く人的資本をためていかなければなりません。
それを勘違いして、「前の会社ではこうだった」とか「前職ではこう進めていた」とか主張するのは全く意味のないことです。今さら通用しない人的資本を懐かしむより、新しい人的資本を獲得することに重きを置きましょう。
また、このように会社特有の人的資本や業界・業種特有の人的資本は転職すると失われるという前提で、今後のキャリアを考えてみることが重要です。
職種・仕事特有の人的資本を強化したり、業界や職種にかかわらず応用できるように自分の経験を抽象化するスキルを高めたりすることは、転職で失敗しないための良い準備になると思います。
山田進太郎D&I財団 COO。2005年に株式会社リクルートHRマーケティング入社。その後、リブセンス、DeNA、起業などを経て2016年より株式会社キャスター取締役COOに就任(2021年より取締役CRO)。2023年10月の東証グロース市場上場に貢献し、2023年12月からは働き方について研究、調査を行うAlternative Work Labを設立し所長就任(現在も兼任)。FNN系列「Live Newsα」、AbemaTV「ABEMAヒルズ」レギュラーコメンテーター。著書に『これからのマネジャーは邪魔をしない。』(フォレスト出版)、『THE FORMAT 文章力ゼロでも書ける究極の「型」』(サンマーク出版)など。
ダイヤモンド・オンライン会員限定で配信中の連載『「40代で戦力外」にならない!新・仕事の鉄則』の人気記事をまとめた電子書籍『結果を出す人の仕事術』が発売中。