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輸入車販売が前年比3割増の伸び
ユーロ安を生かした販促戦略で日本市場を席巻

週刊ダイヤモンド編集部
2012年2月29日
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 日本市場で輸入車が飛ぶように売れている。2011年の輸入乗用車の新車登録台数が13.1%増の20.4万台となり、国産乗用車の新車登録台数が18.5%減と落ち込んでいるのとは対照的な結果になった。今年に入ってからも勢いは衰えておらず、1月の輸入乗用車の新車登録台数は前年同期比29.4%増となった。

 好調の理由は三つある。一つ目は、東日本大震災の発生により国産車が減産に追い込まれたことだ。輸入車が国産車品薄の間隙を縫って、国産車のシェアを奪うことで販売を伸ばしている。

 二つ目は、輸入車メーカー各社が揃って、日本のユーザーを意識した商品ラインナップへ拡充したことだ。キーワードは「価格」と「エコ」である。

 昨年実績で51.2%増と業界で最も高い伸び率となったボルボは、スポーツセダン「S60」とスポーツワゴン「V60」の投入が奏功した。スタイリッシュなデザインであるうえ、ローモデルならば両車種共に300万円台から揃うお得感が受けている。

 輸入乗用車で25%のシェアを握る首位フォルクスワーゲン(VW)は、輸入車業界で先駆けて“エコカー”を全面に押し出したキャンペーンを展開した。「昨年のエコカー減税の対象車種は9割に上る」(VW グループ ジャパン)と言い、エコ志向の強い国内ユーザーの心を惹きつけた。

 最後は、ユーロ安、ドル安で生まれた為替差益を生かした販促戦略に出たことだ。実際に、「円高が進行し、本国から多額の予算が振り分けられるようになった」(ある輸入車メーカー)と言う。「既存車種の値下げこそしないが、ローンの金利を割り引いたり、プレミアム塗装を無償で行なうなどオプションメニューを充実させることで、“実質的な値下げ”になっている」(輸入車ディーラー)ことは確かだ。

 かつての輸入車と言えば「価格が高い、壊れる、燃費効率が悪い」という3点セットの悪いイメージがつきまとった。だが、時代は変わった。価格、性能、低燃費を訴求した輸入車の商品展開の幅が広がり、国産車から輸入車へ乗り換えるユーザーが増えている。国産車と輸入車との垣根が崩れ、ブランドスイッチが容易に起こりうるようになったのだ。

 年内にもVWは「ポロ(213万円~)」よりさらに小型の低価格・低燃費モデル「UP(アップ)!」を国内に投入する。200万円を軽く切る価格設定となる予定で、小型車・軽自動車を拡充している日本勢に正面から挑む構えだ。

 目下のところ、日系自動車メーカー各社は、東日本大震災、タイ大洪水という2度の自然災害による生産停滞の影響が一服し、巻き返し体制に入っている。奪われた国産車ユーザーを取り戻せるか。国内商戦の顧客奪い合いは熾烈を極めることになる。

(「週刊ダイヤモンド」編集部 浅島亮子)

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