『東京崩壊』連載にあたって。

 ――死者1万3000人、帰宅困難者650万人、避難所生活者460万人、経済被害112兆円。

 これは中央防災会議、首都直下地震対策専門調査会がまとめた、首都直下型地震の被害想定である。しかし、政府は東日本大震災の「想定外」の被害を考慮し、この被害想定をさらに上方修正しようとしている。

 首都直下型地震の30年以内の発生確率は、70%と言われている。

 だが、東日本大震災後、首都圏の地震活動が活発になり、マグニチュード7クラスの首都直下地震が、今後4年以内に50パーセント以下の確率で発生するという地震学者もいる。

 100兆円を超える経済損失が起こる可能性を秘めた巨大地震。そして首都機能喪失という事態。指令基地を亡くした日本の復旧、復興はさらに難しいことになる。

 また、世界経済に与える影響は計り切れず、日本発世界恐慌の可能性も秘めているのではないか……。

 この国に住み続ける限り、巨大地震は必ずくる。もう想定外などという言葉は通用しない。

 今後、日本が取るべき道は何か――。その答えを本連載では、私なりに探ってみたい。

※本連載は3月12日(月)からスタート。毎週(月)(水)(金)更新の予定です。お楽しみに!