第4章

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 首都移転計画が発表されて半年がすぎていた。

 発表後、3ヵ月で国会審議が終わり、衆参両院で可決された。首都移転が正式に認められたのだ。

 その間にも東京周辺の地震は頻度を増していた。国と都は精力的に防災体制を整えていった。

 同時に岡山吉備高原への首都移転準備は確実に進んでいた。

 岡山空港から北西に車で1時間余り。

 山間の道を走った。現在はほとんど車の通っていない道路だ。この道路も車線を増やす計画が進められている。

 林が途切れるとき、彼方になだらかな山並みが続いているのが見えた。

「同じ緑でも東京とは色が違いますね」

「どう違うんだ。私には同じに見える」

 森嶋の言葉に村津のぶっきらぼうな答えが返ってくる。

 村津と森嶋は森嶋の運転で吉備新線を吉備高原に向かって走っていた。

 首都移転予定地にはすでに大型重機が入り始めている。

 森嶋は小高い丘の上に車を止めた。