実は、掃除機のダイソンには、EV開発において自動車メーカーにない強みがある

ダイソンはEV参入で
なぜ日本を最初の市場に選ぶのか?

 掃除機のダイソンが「なぜか」EV(電気自動車)の開発を進めている。そのことが最初に発覚したのはイギリス政府のミスだった。今から2年前の2016年3月、研究開発資金約20億円を支援するイギリス政府の助成プログラムの開示資料に、誤ってダイソンが当時秘密開発をしていた商品名が書かれていたのだ。はっきり「EV」と。

 そのときの開示資料(ちなみにイギリス政府はすぐに資料を差し替えて現在では見られない)には、「新しい電池を用いたEVの開発」と書かれていたという。つまり、ダイソンの主力製品であるコードレス掃除機の開発で磨いてきた電池性能の向上技術を、EVに適用する新たな研究を行っていて、それに対してイギリス政府が助成金を提供したことが、この段階で図らずも発覚してしまったわけだ。

 実際にダイソンがEV市場に参入することを公式発表したのは、昨年9月。ミスによる発覚からちょうど1年半が経った時期だった。発表時の創業者、ジェームズ・ダイソン氏の発表によれば、これまでに400人あまりのエンジニアが極秘に開発に関わってきたという話であった。やはりEV開発は水面下で着々と進行していたわけだ。

 ダイソンはEVの初代モデルを2020年までに市場投入する目標で、開発を進めている。そして2018年3月20日、ダイソンは「日本が最初の発売国になる可能性がある」ことを明らかにした。

 振り返れば、ジェームズ・ダイソン氏が発明したサイクロン式掃除機が最初に認められたのも日本市場だったし、ダイソンの世界初の直営店も開店した場所は東京の表参道だった。日本市場はダイソン氏にとって、有望な市場だと映っているようだ。