ダイヤモンド社のビジネス情報サイト
inside Enterprise

野村のトップ人事で試される
海外事業立て直しの舵取り

週刊ダイヤモンド編集部
2012年3月13日
著者・コラム紹介バックナンバー
HD経営に専念する渡部賢一CEO(左)と証券社長に昇格する永井浩二氏(右)

 3月6日、野村ホールディングス(HD)は、グループの中核証券会社である野村証券の社長に永井浩二副社長を、会長には多田斎副社長を据える人事を発表した。

 これまでグループCEO(最高経営責任者)として、HDと野村証券を束ねてきた渡部賢一氏とグループCOO(最高執行責任者)の柴田拓美氏は、共に野村証券の業務執行からはずれ、HDのCEOとCOO職に専任する。

 その理由は、2008年に旧リーマン・ブラザーズの欧州とアジア部門を買収し、海外事業が急拡大したことにある。

 ある野村幹部は、「リーマン買収まではHDと証券の仕事は9割方同じだったが、今や国内と海外の割合はほぼ半々。人員規模で見ても、国内1万5000人に対し、海外が1万3000人となっているため」と解説する。

 つまり、リーマンを買収したまではよかったが、欧州債務危機の勃発などで海外事業が大赤字に陥り、渡部氏と柴田氏はその立て直しを中心としたグループ経営の舵取りに専念するというわけだ。

 一方で国内は、三つの支店で支店長を歴任し、ホールセール(法人営業)部門でも実績を挙げ、「リテール(国内営業)とホールセールの両方で実績を挙げた数少ない人物」(野村幹部)と評される永井氏が、社長となる。

 加えて、これまた一貫してリテール部門を率い、苦境の野村を支えてきた多田氏が永井氏をサポートするかたちだ。

 過去3代にわたり管理畑出身者が社長を務めてきたが、営業出身者が社長となることで、国内強化の構えとなる。

 グローバル金融機関として名乗りを上げた野村としては、HDと野村証券の執行の分離は正しい姿かもしれない。だが、野村証券の中にも海外部門があるなど、「より複雑化するのではないか」(他の大手証券幹部)との指摘もある。

 今回の人事で複雑化した組織を束ね、海外事業を軌道に乗せられるのか。それが野村の課題である。

(「週刊ダイヤモンド」編集部 藤田章夫)

週刊ダイヤモンド

今週の週刊ダイヤモンド

2017年1月28日号 定価710円(税込)

特集 劇変世界を解く 新地政学

世界史の大転換が始まる

【特集2】
銀行界も戦々恐々
コンビニATM戦争

【下記のサイトからご購入いただけます】

(ストアによって販売開始のタイミングが異なるため、お取扱いがない場合がございます)

【下記のサイトからご購入いただけます】

(ストアによって販売開始のタイミングが異なるため、お取扱いがない場合がございます)

【下記のサイトからご購読いただけます】

(ストアによって販売開始のタイミングが異なるため、お取扱いがない場合がございます)

スペシャル・インフォメーションPR
クチコミ・コメント

DOL PREMIUM

PR
【デジタル変革の現場】

企業のデジタル変革
最先端レポート

先進企業が取り組むデジタル・トランスフォーメーションと、それを支えるITとは。

経営戦略最新記事» トップページを見る

最新ビジネスニュース

Reuters

注目のトピックスPR

話題の記事

週刊ダイヤモンド編集部


inside Enterprise

日々刻々、変化を続ける企業の経営環境。変化の中で各企業が模索する経営戦略とは何か?『週刊ダイヤモンド』編集部が徹底取材します。

「inside Enterprise」

⇒バックナンバー一覧