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逆境を吹っ飛ばす江上“剛術”―古典に学ぶ処世訓―

其の11「人知らず、而して慍らず」(論語)
「シューカツ」で挫折し心が壊れそうになったら

江上 剛 [作家]
【第11回】 2012年3月13日
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 2月24付け朝日新聞に就職活動、いわゆる「シューカツ」についての特集記事が掲載されていた。その記事は衝撃的なものだった。

 要するに、多くの企業にまったく相手にされないため、絶望し、「自分という存在を全否定されたような気がして…。心が壊れちゃいました」(記事中の学生のコメント)的学生が増えているというものだ。

 記事中に就職に失敗して自殺する学生の数のグラフが掲載されているが、毎年増加しており2010年には53人にも達している。07年の約3倍だと言う。

 この話は、ずっと以前に都内の某有力私大で聞いたことがある。その大学の事務局に勤務している人から聞いたのだが、シューカツに失敗して自殺する学生が増えているというのだ。こんな有名大学なのにシューカツ失敗で自殺するのか、と驚いた記憶がある。

 実際、真新しいリクルートスーツに身を固め、就職活動を開始して、どこに行っても相手にされなかったら、自分を全否定されたようで死にたくなる気持ちは良くわかる。

「浮浪者になれ」と怒鳴られた

 かく言う私も就職には苦労した。大学を1年留年し、卒業予定の昭和52年は非常に就職が厳しい年だった。昔、巷間で言われた「大学は出たけれど」という言葉が蒸し返されたりしていた。私は成績も悪く、コネもなかった。それに留年していると、就職の案内も送られてこない。それに加えてマズイことに、私には社会人になるという自覚も目的も欠けていた。どこに就職したいとも、どんな仕事に就きたいとも、まったく明確な考えがなかった。これが最大の問題!

 だから訪問する会社も行きあたりばったり。強烈に記憶しているのは、友達が行くと言ったので一緒に着いて行った某都市銀行(今はどこかに合併されてない)だ。

 面接官が、入れてやる的な生意気さだったので「こんな銀行にはいるくらいなら、就職なんかしませんよ」と言ってしまった。すると面接官は、憎々しげに私を睨んで「お前のような奴は、○○で浮浪者になればいいんだ」と怒鳴った。○○には、大阪のある地名が入るのだが…。当然、私は面接会場から追い出されてしまった。

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江上 剛 [作家]

えがみ ごう/1954年1月7日兵庫県生まれ。本名小畠晴喜(こはた はるき)。77年3月早稲田大学政経学部卒業。同年4月旧第一勧業銀行(現みずほ銀行)入行。高田馬場、築地などの支店長を歴任後、2003年3月同行退行。1997年に起きた第一勧銀総会屋利益供与事件では、広報部次長として混乱収拾に尽力する。『呪縛 金融腐蝕列島』(高杉良作・角川書店)の小説やそれを原作とする映画のモデルとなる。2002年『非情銀行』(新潮社)で作家デビュー。以後、作家に専念するも10年7月日本振興銀行の社長に就任し、本邦初のペイオフを適用される。


逆境を吹っ飛ばす江上“剛術”―古典に学ぶ処世訓―

作家・江上剛氏は、その人生で2回も当局による強制捜査を経験した。その逆境にあって、心を支えくれたのが、「聖書」「論語」「孫子」などの古典の言葉である。ビジネス界に身を置けば、さまざまな逆風にされされることも多い。どんな逆境にあっても、明るく前向きに生きる江上剛氏が、柔術ならぬ“剛術”で古典を読み解き、勇気と元気の“素”を贈る。

「逆境を吹っ飛ばす江上“剛術”―古典に学ぶ処世訓―」

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