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社長は労働法をこう使え!
【第1回】 2012年3月15日
著者・コラム紹介バックナンバー
向井 蘭

労働者のニーズにもあわなくなった労働法

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それでも労働法の改正はハードルが高い

 労働法を改正しようという動きもあります。

 とくにホワイトカラーと呼ばれる職種はブルーカラー(工場労働者)とは異なり、個々のペースで仕事を進め、その成果が評価されるべき仕事です。

 たとえば定時に出社して深夜まで残業しているけれどもまったく結果を出せない人と、会社にいる時間は短いけれども確実に成果を上げる人がいたら、後者のほうが高い評価を得られるのは当然でしょう。

 にもかかわらず、労働基準法に従って時給と労働時間の単純かけ算で給料を計算すると、前者のほうが高い年収が得られるのです。給料を払う側の使用者からすれば、これほどおかしな話はありません。

 そこで2007年、一定の年収以上のホワイトカラー労働者については労働時間の規制を免除、緩和しようというホワイトカラー・エグゼンプション(ホワイトカラー労働時間規制適用免除制度)の導入が検討されました。

 しかし全労連、連合、全労協などの労働団体は、残業代カットを認める法律としてこれを「過労死促進法案」だと強く批判し、マスコミも「残業代ゼロ法案」などと大きく取り上げたのです。

 こうした動きを受け、政府はホワイトカラー・エグゼンプションの導入を断念しました。有権者の大部分を占める労働者を敵にまわしてまで、この制度を導入したいと考える政治家はいなかったのでしょう。

 その結果、「労働者の立場は弱い」という労働法の画一的な考え方が、未だに適用されているのです。
 


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向井 蘭(むかい らん)

 

弁護士。1975年山形県生まれ。東北大学法学部卒業。2003年に弁護士登録。狩野・岡・向井法律事務所所属。経営法曹会議会員。労働法務を専門とし、解雇、雇止め、未払い残業代、団体交渉、労災など、使用者側の労働事件を数多く取り扱う。企業法務担当者向けの労働問題に関するセミナー講師を務めるほか、『ビジネスガイド』(日本法令)、『労政時報』(労務行政研究所)、『企業実務』(日本実業出版社)など数多くの労働関連紙誌に寄稿。
著書に、『時間外労働と、残業代請求をめぐる諸問題』(共著、産労総合研究所)、『人事・労務担当者のための 労働法のしくみと仕事がわかる本』(日本実業出版社)がある。


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「社長は労働法をこう使え!」

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