兄弟姉妹が言い出したら絶対に信じちゃダメ!「介護をパスして、遺産はちゃっかりもらえてしまう」要注意フレーズとは?写真はイメージです Photo:PIXTA

心身ともに疲弊する「親の介護」。そして介護の後に待ち受けているのが、遺産相続の問題だ。介護への貢献度は、どうしても兄弟姉妹の間で偏りが出てしまう。中には、全く介護を手伝わないのに遺産相続だけきっちり要求してくる人も――。本記事は、「介護からの逃げ得を許さない」という視点からお送りする。※本稿は、姉小路 祐『介護と相続、これでもめる!不公平・逃げ得を防ぐには』(光文社)の一部を抜粋・編集したものです。

「介護からの逃げ得」は
実はとても簡単

 実は介護からの“逃げ得を許さない”方法を実行するのは簡単ではない。むしろ介護からの“逃げ得をする”ほうがずっと容易なのだ。それは、現在の法律や裁判所の方向が、結果的に逃げ得を事実上容認しているからにほかならない。

 逃げ得を指南する意図で、以下の方法を書くのではない。他の兄弟姉妹がこういう姿勢に出てきたなら逆方向を考えてほしいという趣旨である。

(1)親の介護が必要になったときは、参加したくても参加できないという理由を列挙する。

 仕事が多忙でとても休めない、自分の子供の学校が大変だ、夫婦仲が良くない、健康面での問題を抱えている……本当でなくてもとにかく理由を並び立てる、ケアマネージャーからキーマン(編集部注/介護保険の手続きやケアプランについて決定権を持つ人。原則は家族が行う)の打診があったときも、とにかく断り続ける。

 キーマンを引き受けたら、無償の重い責任が掛かってくる。だから、なりたくても物理的になれない、と言って逃げる。ケアマネージャーも、キーマンの押しつけはできない。とりわけ健康上の理由を持ち出されたなら、ケアマネージャーは諦めて他の兄弟姉妹への説得にかかるだろう。